メトトレキサート療法をこころみた心臓サルコイドーシスの4症例

副腎皮質ステロイド剤による重大な副作用のために, メトトレキサート療法への変更を行った心臓サルコイドーシスの4例について, 本剤の有用性を検討した. メトトレキサートによる副作用で再生不良性貧血が1例, 肝機能障害が2例で生じた. 再生不良性貧血については, 本剤を中止し顆粒球コロニー形成刺激因子 (G-CSF; granulocyte-colony stimulating factor) filgrastimを用いたところ, 速やかに改善した. 肝障害の2例については本剤を減量せざるを得なかった. 残り1例については, 明らかな副作用は生じなかったものの, 本剤への変更によりサルコイドーシス...

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Published inNIHON SARUKOIDOSHISU / NIKUGESHUSHIKKAN (The Japanese journal of sarcoidosis and other granulomatous disorders ) Vol. 23; no. 1; pp. 83 - 86
Main Authors 森本, 紳一郎, 杉浦, 厚司, 菱田, 仁, 大槻, 真嗣, 加藤, 茂, 久保, 奈津子, 宮城島, 賢二, 加藤, 靖周, 平光, 伸也, 植村, 晃久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会 2003
Japan Society of Sarcoidosis and other Granulomatous Disorders
Subjects
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ISSN1345-0565
1884-6122
DOI10.14830/jssog1999.23.83

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Summary:副腎皮質ステロイド剤による重大な副作用のために, メトトレキサート療法への変更を行った心臓サルコイドーシスの4例について, 本剤の有用性を検討した. メトトレキサートによる副作用で再生不良性貧血が1例, 肝機能障害が2例で生じた. 再生不良性貧血については, 本剤を中止し顆粒球コロニー形成刺激因子 (G-CSF; granulocyte-colony stimulating factor) filgrastimを用いたところ, 速やかに改善した. 肝障害の2例については本剤を減量せざるを得なかった. 残り1例については, 明らかな副作用は生じなかったものの, 本剤への変更によりサルコイドーシスの活動性が再燃し, 再び副腎皮質ステロイド剤に変更せざるを得なかった. 心サルコイドーシスにおけるメトトレキサート療法の経験の蓄積が待たれるところであるが, 少なくとも, 今回経験した4例のうち3例に関して, 本治療は有用とは言えなかった.
ISSN:1345-0565
1884-6122
DOI:10.14830/jssog1999.23.83