酸化マグネシウム錠の酸中和能及び溶出特性による品質評価
「緒言」酸化マグネシウムは, 制酸剤及び塩類下剤として知られており, 1)従来, 軽質及び重質の酸化マグネシウム末が汎用されていた. しかし, これらの粉末製剤は無機化合物特有の味や独特な口内不快感を有し, 服用し難い製剤であると思われる. 近年, 服用のし易さの向上を目指した錠剤2, 3)が2種類上市されているが, 利用に際して酸化マグネシウム製剤の品質に関する情報は少ない. 酸化マグネシウムは, 経口投与後胃酸との中和反応により制酸作用を発揮するとともに, 炭酸マグネシウムとなることにより, 塩類下剤として瀉下作用を発揮する. したがって, 主薬の薬理作用が発現する過程の律速段階は, 製剤...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 127; no. 12; pp. 2085 - 2089 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.12.2007
日本薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.127.2085 |
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Summary: | 「緒言」酸化マグネシウムは, 制酸剤及び塩類下剤として知られており, 1)従来, 軽質及び重質の酸化マグネシウム末が汎用されていた. しかし, これらの粉末製剤は無機化合物特有の味や独特な口内不快感を有し, 服用し難い製剤であると思われる. 近年, 服用のし易さの向上を目指した錠剤2, 3)が2種類上市されているが, 利用に際して酸化マグネシウム製剤の品質に関する情報は少ない. 酸化マグネシウムは, 経口投与後胃酸との中和反応により制酸作用を発揮するとともに, 炭酸マグネシウムとなることにより, 塩類下剤として瀉下作用を発揮する. したがって, 主薬の薬理作用が発現する過程の律速段階は, 製剤からの酸化マグネシウムの胃内溶液への溶解過程にあると考えられる. このことから, 酸化マグネシウム製剤の品質においては主薬の溶出挙動並びに酸中和能の両方の評価が非常に重要であると考えられる. しかしながら, 酸化マグネシウム製剤からの主薬の溶出挙動並びに酸中和能に関する情報は少ない. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.127.2085 |