画像誘導小線源治療のすすめ

子宮頸癌は早期から進行期まで根治的放射線治療の適応となり,局所と骨盤リンパ節を含む領域への外部照射と,子宮局所への腔内照射から構成される。腔内照射の治療計画では,従来はアプリケーター挿入下でのX線透視画像を用いて画一的な2次元治療計画を行なっていたが,近年ヨーロッパを中心にCT・MRIなどの3次元画像を治療計画に用いた画像誘導小線源治療(Image-Guided Brachytherapy : IGBT)が提唱されている。IGBTでは治療計画用に撮影された画像上で腫瘍と正常臓器の3次元位置関係に基づき線量を調節することで,腫瘍のサイズに応じた線量投与が可能となった。また通常の腔内照射では対応困...

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Bibliographic Details
Published inJOURNAL OF THE KYORIN MEDICAL SOCIETY Vol. 51; no. 2; pp. 127 - 132
Main Authors 永島, 潤, 安藤, 謙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 杏林医学会 30.06.2020
The Kyorin Medical Society
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ISSN0368-5829
1349-886X
DOI10.11434/kyorinmed.51.127

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Summary:子宮頸癌は早期から進行期まで根治的放射線治療の適応となり,局所と骨盤リンパ節を含む領域への外部照射と,子宮局所への腔内照射から構成される。腔内照射の治療計画では,従来はアプリケーター挿入下でのX線透視画像を用いて画一的な2次元治療計画を行なっていたが,近年ヨーロッパを中心にCT・MRIなどの3次元画像を治療計画に用いた画像誘導小線源治療(Image-Guided Brachytherapy : IGBT)が提唱されている。IGBTでは治療計画用に撮影された画像上で腫瘍と正常臓器の3次元位置関係に基づき線量を調節することで,腫瘍のサイズに応じた線量投与が可能となった。また通常の腔内照射では対応困難な不整形かつ巨大な腫瘍に対しては,組織内照射用のアプリケーターを併用するハイブリッド腔内照射を用いることで,さらにテーラーメイドな線量投与が可能となった。IGBTの導入によって,従来の2次元治療計画で制御困難であった巨大な腫瘍の局所制御が可能となった。本稿ではIGBTの概念とその実際を,当院での実例を交えて概説する。
ISSN:0368-5829
1349-886X
DOI:10.11434/kyorinmed.51.127