頸部リンパ節および耳下腺病変にミノサイクリンが著効したサルコイドーシスの1例
症例; 74歳・女性. 右頸部腫瘤を主訴に前医受診. 頸部リンパ節摘出術を行い組織診でサルコイドーシスが疑われ当院紹介. 右膝の皮膚生検, 気管支肺胞洗浄の結果, サルコイドーシスと診断した. 経過観察していたが右頸部リンパ節が再度腫大し, 右耳下腺腫大も出現した. 治療適応と考えたが糖尿病の合併があったためステロイド剤の使用は見合わせ, ミノサイクリンを開始した. 直後からリンパ節・耳下腺の著明な縮小が得られた. 診断時の組織標本でPropionibacterium acnesに対する単クローン抗体 (PAB抗体) 陽性の顆粒を認めたため, ミノサイクリン投与後に患者の承諾を得て再度頸部リン...
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Published in | NIHON SARUKOIDOSHISU / NIKUGESHUSHIKKAN (The Japanese journal of sarcoidosis and other granulomatous disorders ) Vol. 28; no. 1; pp. 93 - 97 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
2008
Japan Society of Sarcoidosis and other Granulomatous Disorders |
Subjects | |
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ISSN | 1345-0565 1884-6122 |
DOI | 10.14830/jssog1999.28.93 |
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Summary: | 症例; 74歳・女性. 右頸部腫瘤を主訴に前医受診. 頸部リンパ節摘出術を行い組織診でサルコイドーシスが疑われ当院紹介. 右膝の皮膚生検, 気管支肺胞洗浄の結果, サルコイドーシスと診断した. 経過観察していたが右頸部リンパ節が再度腫大し, 右耳下腺腫大も出現した. 治療適応と考えたが糖尿病の合併があったためステロイド剤の使用は見合わせ, ミノサイクリンを開始した. 直後からリンパ節・耳下腺の著明な縮小が得られた. 診断時の組織標本でPropionibacterium acnesに対する単クローン抗体 (PAB抗体) 陽性の顆粒を認めたため, ミノサイクリン投与後に患者の承諾を得て再度頸部リンパ節生検を行った. 組織の中心部は壊死を伴った硝子化が大部分を占めその中はPAB抗体は陰性であったが, 硝子化の周囲の巨細胞内にはPAB抗体陽性像が見られた. サルコイドーシスにおけるP. acnesの関与およびミノサイクリンによる治療について報告する. |
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ISSN: | 1345-0565 1884-6122 |
DOI: | 10.14830/jssog1999.28.93 |