UGT1A1遺伝子多型解析患者におけるイリノテカンの用量変更・副作用発現状況調査
【緒言】 イリノテカン活性代謝物(SN-38)の主な代謝酵素であるUDP-グルクロン酸転移酵素UDP-glucuronosyltransferase(UGT)の2つの遺伝子多型であるUGT1A1*6と*28のホモ接合体(*6/*6, *28/*28)又は複合ヘテロ接合体の患者(*6/*28)では, 重篤な副作用(特に好中球減少)発現の可能性が高くなる報告がある1). そのため, イリノテカンの医療用医薬品添付文書はこれらの患者にイリノテカンを投与する際は, 十分注意するよう喚起している2). これに対し, 米国の添付文書にあたるPackage Insertでは, UGT1A1活性低下患者におけ...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 132; no. 2; pp. 231 - 236 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.02.2012
日本薬学会 |
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ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.132.231 |
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Summary: | 【緒言】 イリノテカン活性代謝物(SN-38)の主な代謝酵素であるUDP-グルクロン酸転移酵素UDP-glucuronosyltransferase(UGT)の2つの遺伝子多型であるUGT1A1*6と*28のホモ接合体(*6/*6, *28/*28)又は複合ヘテロ接合体の患者(*6/*28)では, 重篤な副作用(特に好中球減少)発現の可能性が高くなる報告がある1). そのため, イリノテカンの医療用医薬品添付文書はこれらの患者にイリノテカンを投与する際は, 十分注意するよう喚起している2). これに対し, 米国の添付文書にあたるPackage Insertでは, UGT1A1活性低下患者における好中球減少発現の注意として, UGT1A1*28のホモ接合患者(*28/*28)には, 多剤又は単剤であっても, イリノテカンの初期投与量を少なくとも1段階の減量を考慮すべきであると記載されている. 特にUGT1A1*28のホモ接合体に言及した上で, イリノテカンを含む様々なレジメンにおいて減量の段階について詳細な手順を説明している3). |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.132.231 |