問診表を利用した胃食道逆流症のスクリーニングから治療まで診療科と連携した取り組み

目的:胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)は,最近食生活の欧米化などを背景に日常の診療で診る機会が増えており,quality of life(QOL)の低下しやすい生活習慣病ともいえるため診療科だけでなく人間ドックでも対応する重要性が増している.今回GERD問診表FSSG(Frequency Scale for theSymptoms of GERD)を用いることによりGERDのスクリーニングから生活指導・内服治療まで診療科と連携 した体制を試みたので報告する.方法:対象は2006年1-2月に人間ドックを受診した1,405例.FSSG 8点以...

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Published in人間ドック Vol. 22; no. 3; pp. 408 - 413
Main Authors 松浦, 広, 宮崎, 滋, 橋本, 直明, 坂口, 正高, 大久保, 政雄, 松川, 雅也, 古畑, 総一郎, 東田, 寿子, 関根, 昌子, 小林, 克也, 関川, 憲一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2007
日本人間ドック学会
Subjects
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock2005.22.408

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Summary:目的:胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)は,最近食生活の欧米化などを背景に日常の診療で診る機会が増えており,quality of life(QOL)の低下しやすい生活習慣病ともいえるため診療科だけでなく人間ドックでも対応する重要性が増している.今回GERD問診表FSSG(Frequency Scale for theSymptoms of GERD)を用いることによりGERDのスクリーニングから生活指導・内服治療まで診療科と連携 した体制を試みたので報告する.方法:対象は2006年1-2月に人間ドックを受診した1,405例.FSSG 8点以上をGERD疑いと判定し,診察時に食生活の改善指導を行った.2-3週間後もFSSGが低下せず不快な症状が持続する症例をフォローアップし,精査加療目的で上部消化管内視鏡検査(FGS)と内服治療を勧めた.プロトンポンプインヒビター(PPI)を処方した症例は2週間後FSSGを再判定した.またFSSGに影響を与える因子として内視鏡所見,胃X線造影検査所見,食習慣について検討した.結果:GERD疑いと判定した症例は273例(19%).36例(2.6%)が精査加療のため医療機関を受診し,15例(1.1%)が内服治療を開始した.PPIを内服した7例の2週間後のFSSGは全例低下(平均16→7点)した.FSSGには内視鏡所見と食習慣が関連していた.結論:FSSGはGERDのスクリーニングから治療まで人間ドックと診療科との連携を円滑にすることができ有用であった.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock2005.22.408