超音波健診発見脂肪肝症例における健診後の超音波検査所見と血液生化学検査値の変動

目的:超音波健診で脂肪肝を指摘された症例において,受診後の行動変容があるかどうかを把握すること.方法:1996年に健診の超音波検査で脂肪肝を指摘された受診者の1999年の超音波所見とbody mass index(BMI),血液生化学検査値(中性脂肪,総コレステロール,HDLコレステロール)の変化と,2003年に健診で脂肪肝を指摘された受診者の2006年の脂肪肝所見と血液生化学検査値の変化を,脂肪肝の有無の組み合わせで4群に分けて比較検討した.成績:1996年の超音波検査で脂肪肝であった症例は1999年にも全員脂肪肝の所見であった.BMIと中性脂肪,総コレステロール値については,1996年から...

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Published in人間ドック Vol. 23; no. 4; pp. 776 - 781
Main Authors 小野寺, 博義, 手嶋, 紀子, 松井, 昭義, 岩崎, 隆雄, 小野, 博美, 渋谷, 大助
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2008
日本人間ドック学会
Subjects
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock2005.23.776

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Summary:目的:超音波健診で脂肪肝を指摘された症例において,受診後の行動変容があるかどうかを把握すること.方法:1996年に健診の超音波検査で脂肪肝を指摘された受診者の1999年の超音波所見とbody mass index(BMI),血液生化学検査値(中性脂肪,総コレステロール,HDLコレステロール)の変化と,2003年に健診で脂肪肝を指摘された受診者の2006年の脂肪肝所見と血液生化学検査値の変化を,脂肪肝の有無の組み合わせで4群に分けて比較検討した.成績:1996年の超音波検査で脂肪肝であった症例は1999年にも全員脂肪肝の所見であった.BMIと中性脂肪,総コレステロール値については,1996年から1999年にかけては全ての群で数値が増加(悪化)していた.一方,2003年の超音波検査で脂肪肝であった症例中43.2%では2006年に脂肪肝が消失していた.また,BMIと中性脂肪総コレステロール値については,2003年から2006年にかけては半数以上の群で数値が減少(改善)していた.結論:2003年に脂肪肝を指摘された受診者では3年後に諸検査値が改善している割合が,1996年に脂肪肝を指摘された受診者よりも大きかった.近年のメタボリックシンドロームなどの健康に対する関心の高まりなどにより,健診で指摘された問題点を改善しようとする努力が以前に比べて大きくなっていると思われた。
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock2005.23.776