発見経路からみた大腸がん症例の検討 -進行度,医療費の比較

目的:大腸がん検診の有用性を示すため,大腸がん症例を発見経路別に分類し,進行度および医療費を検討した. 方法:2010年4月~2011年3月に診断された80歳未満の大腸がん症例133例を対象とした.進行度は院内がん登録データを使用した.医療費はレセプトデータを用いて診断日から1年分を把握した.それぞれStage分類別,治療法別で検討した. 結果:検診群は48例,症状を認め病院を受診した群(以下病院群)は85例であった.Stage分類別では,Stage0は検診群が28例(58.3%),病院群が28例(32.9%)であった.Stage0およびⅠの早期がんは検診群が38例(79.2%),病院群が37...

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Published in人間ドック Vol. 30; no. 3; pp. 616 - 622
Main Authors 清水, 郁也, 廣岡, 大司, 内間, 恭武, 廣岡, 知臣, 奥村, 峰和, 西川, 慶一郎, 川村, 実里, 小林, 三津子, 櫨場, 美和, 窪田, 雅子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2015
日本人間ドック学会
Subjects
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock.30.616

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Summary:目的:大腸がん検診の有用性を示すため,大腸がん症例を発見経路別に分類し,進行度および医療費を検討した. 方法:2010年4月~2011年3月に診断された80歳未満の大腸がん症例133例を対象とした.進行度は院内がん登録データを使用した.医療費はレセプトデータを用いて診断日から1年分を把握した.それぞれStage分類別,治療法別で検討した. 結果:検診群は48例,症状を認め病院を受診した群(以下病院群)は85例であった.Stage分類別では,Stage0は検診群が28例(58.3%),病院群が28例(32.9%)であった.Stage0およびⅠの早期がんは検診群が38例(79.2%),病院群が37例(43.5%)であった.外来内視鏡治療が行われたのは検診群が25例(52.1%),病院群が14例(16.5%)であった.内視鏡手術,外科的手術で治療が終了したのは検診群が38例(79.2%),病院群が45例(52.9%)であった.1人あたりの1年間の医療費は,検診群で中央値229,495円(平均741,504±752,431円),病院群で中央値1,753,790円(平均1,927,710±1,698,447円)であった. 結論:大腸がん検診は,早期発見が可能となるだけでなく医療費の抑制につながると考えられた.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.30.616