二次元レジリエンス要因の安定性およびライフイベントとの関係
「問題と目的」 ストレスフルな出来事によって傷ついても, そこから立ち直っていく精神的な回復力のことを, レジリエンス(resilience)と呼ぶ. レジリエンスは, 個人の有する様々な要因によって導かれる力であり(Grotberg, 2003), 先行研究ではそれらの要因, すなわちレジリエンス要因を探る試みが行われてきた. 研究が蓄積されるなかで多様なレジリエンス要因が見出されてきたが(小塩・中谷・金子・長峰, 2002;森・清水・石田・冨永・Hiew, 2002など), 小花和(2004)がレビューの中で「個人要因」と「獲得される要因」に分類しているように, その中には持って生まれた資...
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Published in | パーソナリティ研究 Vol. 21; no. 1; pp. 94 - 97 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本パーソナリティ心理学会
31.07.2012
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Online Access | Get full text |
ISSN | 1348-8406 1349-6174 |
DOI | 10.2132/personality.21.94 |
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Summary: | 「問題と目的」 ストレスフルな出来事によって傷ついても, そこから立ち直っていく精神的な回復力のことを, レジリエンス(resilience)と呼ぶ. レジリエンスは, 個人の有する様々な要因によって導かれる力であり(Grotberg, 2003), 先行研究ではそれらの要因, すなわちレジリエンス要因を探る試みが行われてきた. 研究が蓄積されるなかで多様なレジリエンス要因が見出されてきたが(小塩・中谷・金子・長峰, 2002;森・清水・石田・冨永・Hiew, 2002など), 小花和(2004)がレビューの中で「個人要因」と「獲得される要因」に分類しているように, その中には持って生まれた資質的な特性と思われるもの(好ましい気質, 共感性, 自立性など)と, 後天的に身につけるのが比較的容易と思われるもの(ソーシャルスキル, コンピテンス, ユーモアなど)が混在していた. 前者については誰もが後天的に身につけられる要因ではないことが推察されるため, レジリエンスを高めていくという臨床的観点から見た場合, まずは両者を分けて考える必要があると考えられた. |
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ISSN: | 1348-8406 1349-6174 |
DOI: | 10.2132/personality.21.94 |