追跡対象者の精密検査受診行動に関連する促進要因の分析

目的:当センターでは健診結果より精密検査,治療が必要な者(以下,精検対象者)のなかでも,悪性疾患の疑いや逸脱した異常値があり速やかに医療機関受診が必要な者(以下,追跡対象者)に対し,医療機関受診を確実にするための受診勧奨を行っている.今回,さらなる精検受診率向上のために医療機関受診の促進要因を分析した. 方法:2011年4月1日から2012年3月31日までの精検対象者8,572名,追跡対象者347名(追跡精検受診者308名,追跡精検未受診者39名)を対象とした.追跡対象者の背景を問診情報より分析し,また,追跡精検受診者へ医療機関受診の促進要因について5段階評価方式の質問紙調査を実施した.追跡精...

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Published in人間ドック Vol. 29; no. 3; pp. 496 - 502
Main Authors 下原, 由美子, 荒木, 祐子, 福島, 希, 菅, 守隆, 濵ノ園, 真樹, 坂田, 香織
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2014
日本人間ドック学会
Subjects
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock.29.496

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Summary:目的:当センターでは健診結果より精密検査,治療が必要な者(以下,精検対象者)のなかでも,悪性疾患の疑いや逸脱した異常値があり速やかに医療機関受診が必要な者(以下,追跡対象者)に対し,医療機関受診を確実にするための受診勧奨を行っている.今回,さらなる精検受診率向上のために医療機関受診の促進要因を分析した. 方法:2011年4月1日から2012年3月31日までの精検対象者8,572名,追跡対象者347名(追跡精検受診者308名,追跡精検未受診者39名)を対象とした.追跡対象者の背景を問診情報より分析し,また,追跡精検受診者へ医療機関受診の促進要因について5段階評価方式の質問紙調査を実施した.追跡精検受診者をがん関連項目対象者(A群),その他・生活習慣病関連対象者(B群)の2群に分け,Ajzenの計画的行動理論を用いて分析を行った. 結果:追跡精査受診者と未受診者の背景分析では,年齢,配偶者の有無で受診行動に有意差(p<0.05)を認めた.計画的行動理論を用いた質問紙調査による分析では,A群については受診行動の促進要因として,〈結果報告〉,〈本人の認識〉,〈他者からの推奨〉,〈精査医療機関体制〉が挙げられた. 結語:以上の結果より,今後,さらなる精検受診率向上のためには医師結果説明を徹底すること,受診者の利便性を考慮した具体的な受診先医療機関の選定,予約体制の整備,受診者の職場環境調整が重要であると考えられた.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.29.496