当センターにおける人間ドック受診後のフォローアップの現状と今後の課題

目的:人間ドック受診後のフォローアップ活動を振り返り,今後の健康支援活動の課題を検討した.方法:対象期間は2014年7月から2016年6月までの2年間で,任意型人間ドックを受診した15,219人を対象者とした.各検査項目の判定区分別内訳,年代別・男女別における要精密検査・要治療者の割合,ならびに受診勧奨による生活習慣病関連と非生活習慣病関連の受診率について検討した.結果:人間ドック受診者数は延べ15,219人であり,要精密検査や要治療となった健診者は5,388人(35.4%)であった.そのうち3,371人(62.6%)は,結果票を受け取った後,自ら受診行動を起こしていた.残りの2,017人(3...

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Published in人間ドック Vol. 34; no. 3; pp. 443 - 449
Main Authors 小川, 美咲, 伊藤, 恭子, 加藤, 智弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2019
日本人間ドック学会
Subjects
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock.34.443

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Summary:目的:人間ドック受診後のフォローアップ活動を振り返り,今後の健康支援活動の課題を検討した.方法:対象期間は2014年7月から2016年6月までの2年間で,任意型人間ドックを受診した15,219人を対象者とした.各検査項目の判定区分別内訳,年代別・男女別における要精密検査・要治療者の割合,ならびに受診勧奨による生活習慣病関連と非生活習慣病関連の受診率について検討した.結果:人間ドック受診者数は延べ15,219人であり,要精密検査や要治療となった健診者は5,388人(35.4%)であった.そのうち3,371人(62.6%)は,結果票を受け取った後,自ら受診行動を起こしていた.残りの2,017人(37.4%)が未受診と考えられ,受診勧奨の対象者となった.生活習慣病関連については624人に受診勧奨の手紙を郵送し,新規受診者は20人(受診率3.2%)であった.一方,非生活習慣病関連については1,393人に郵送し,新規受診者は168人(受診率12.1%)であった.統計学的に生活習慣病関連の受診率が有意差をもって低かった(p<0.01).結論:受診後のフォローアップ該当者の多くは,電話や手紙により積極的に関与しても受診行動にはつながりにくい.未受診者の医療機関への受診率向上,ならびに,生活習慣改善により,要精密検査・要治療の対象者を減らしていくためにも,健康への関心が最大に高まっている人間ドック受診日当日に,健診者全員が結果説明と健康相談・保健指導を受けられる仕組みづくりが必要である.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.34.443