年間医療費削減の観点からの人間ドック健診受診の意義
目的:人間ドック健診は,生活習慣病の発症予防と早期治療,がんの早期発見と早期治療を大きな目的としている.しかしながら人間ドック健診と一般健診受診者の医療費について比較検討した報告はこれまでほとんどない.したがって今回我々は,通常の健診を毎年受けている集団(一般健診群)と毎年人間ドックを受け続けている集団(ドック健診群)における医療費の経年変化を比較検討し,毎年人間ドック健診を受け続けていれば,本当に一般健診以上の医療費削減効果があるのかを検討した. 方法:対象は四国エリアの40歳代および50歳代のNTTグループ社員.平成15年度から17年度までの3年間連続での一般健診群と3年間連続でのドック健...
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          | Published in | 人間ドック Vol. 27; no. 1; pp. 29 - 35 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            公益社団法人 日本人間ドック学会
    
        2012
     日本人間ドック学会  | 
| Subjects | |
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| ISSN | 1880-1021 2186-5027  | 
| DOI | 10.11320/ningendock.27.29 | 
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| Summary: | 目的:人間ドック健診は,生活習慣病の発症予防と早期治療,がんの早期発見と早期治療を大きな目的としている.しかしながら人間ドック健診と一般健診受診者の医療費について比較検討した報告はこれまでほとんどない.したがって今回我々は,通常の健診を毎年受けている集団(一般健診群)と毎年人間ドックを受け続けている集団(ドック健診群)における医療費の経年変化を比較検討し,毎年人間ドック健診を受け続けていれば,本当に一般健診以上の医療費削減効果があるのかを検討した. 方法:対象は四国エリアの40歳代および50歳代のNTTグループ社員.平成15年度から17年度までの3年間連続での一般健診群と3年間連続でのドック健診群における年間医療費を,平成18年度から22年度まで5年間前向きに追跡した. 結果:男性については,40歳代および50歳代の一般健診群では経年的に年間医療費が増加する傾向が見られた.5年間の累積医療費の両群の差は,40歳代は,男性約14.3万円,女性約-6.9万円であった.50歳代は,男性約33.0万円,女性約4.0万円であった.男性においては40歳代,50歳代共に両群の差が年々大きくなっていった. 結論:50歳代男性では,人間ドック健診と一般健診との費用差額を考慮しても,毎年人間ドック健診を受けることに医療費削減効果があることが示された. | 
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| ISSN: | 1880-1021 2186-5027  | 
| DOI: | 10.11320/ningendock.27.29 |