肝門部胆管癌に対する肝左3区域切除時の右肝動脈再建に左肝動脈を用いた1例
要旨:肝左3区域切除,肝動脈門脈合併切除再建の際に,再建動脈に左肝動脈を用いた1例を報告する.症例は70歳,女性.肝門部胆管癌局所過進展の診断で当院へ紹介された.CTでは肝門部に造影効果に乏しい腫瘤陰影を認め,右肝動脈周囲軟部組織陰影の増強があり,右肝動脈浸潤と診断した.門脈枝塞栓術施行41日後に肝左3区域切除,尾状葉切除,肝動脈・門脈合併切除再建を施行した.肝動脈は右後枝と口径差の少ない左肝動脈を顕微鏡下で端端吻合.門脈は左門脈,右前区域枝の分岐部を楔状切除し,横縫合した.術後経過に問題なく,第18病日軽快退院し,術後15カ月無再発生存中.病理組織診断では,高分化腺癌が門脈中膜,右肝動脈外膜...
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| Published in | Tando Vol. 25; no. 4; pp. 672 - 679 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本胆道学会
2011
Japan Biliary Association |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
| DOI | 10.11210/tando.25.672 |
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| Summary: | 要旨:肝左3区域切除,肝動脈門脈合併切除再建の際に,再建動脈に左肝動脈を用いた1例を報告する.症例は70歳,女性.肝門部胆管癌局所過進展の診断で当院へ紹介された.CTでは肝門部に造影効果に乏しい腫瘤陰影を認め,右肝動脈周囲軟部組織陰影の増強があり,右肝動脈浸潤と診断した.門脈枝塞栓術施行41日後に肝左3区域切除,尾状葉切除,肝動脈・門脈合併切除再建を施行した.肝動脈は右後枝と口径差の少ない左肝動脈を顕微鏡下で端端吻合.門脈は左門脈,右前区域枝の分岐部を楔状切除し,横縫合した.術後経過に問題なく,第18病日軽快退院し,術後15カ月無再発生存中.病理組織診断では,高分化腺癌が門脈中膜,右肝動脈外膜まで浸潤していたが,剥離面,胆管断端は癌陰性であった. 左側からの肝切除に右肝動脈合併切除再建を行う際に左肝動脈は肝十二指腸間膜の最左側に位置し,再建動脈の候補となり得る. |
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| ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
| DOI: | 10.11210/tando.25.672 |