術前化学療法が著効した進行肝門部胆管癌の1切除例
要旨:ジェムザール(GEM)/S1併用による術前化学療法が著効を示した進行肝門部胆管癌の1切除例を報告する.症例は67才,男性.胃部不快感,尿濃染を主訴に前医を受診.外側前枝および前下区域枝からのPTBDの後,Bismuth IV型肝門部胆管癌と診断され,当科を紹介された.CTでは腫瘍は肝門部から門脈左枝に沿って肝内に浸潤しており,8番リンパ節が腫大していた.腫瘍マーカーはDUPAN-2が1600 U/ml 以上と高値であった.S1先行投与によるGem/S1併用化学療法(S1 80 mg/日,第1-21日,GEM 1000 mg,第8,22日)を2コース施行したところ,DUPAN-2は450...
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Published in | Tando Vol. 25; no. 2; pp. 203 - 208 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
2011
Japan Biliary Association |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando.25.203 |
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Summary: | 要旨:ジェムザール(GEM)/S1併用による術前化学療法が著効を示した進行肝門部胆管癌の1切除例を報告する.症例は67才,男性.胃部不快感,尿濃染を主訴に前医を受診.外側前枝および前下区域枝からのPTBDの後,Bismuth IV型肝門部胆管癌と診断され,当科を紹介された.CTでは腫瘍は肝門部から門脈左枝に沿って肝内に浸潤しており,8番リンパ節が腫大していた.腫瘍マーカーはDUPAN-2が1600 U/ml 以上と高値であった.S1先行投与によるGem/S1併用化学療法(S1 80 mg/日,第1-21日,GEM 1000 mg,第8,22日)を2コース施行したところ,DUPAN-2は450 U/ml に低下し,治療開始前に認められたFDG-PETの腫瘍への集積が消失した.化学療法後19日後,尾状葉合併左葉切除を施行.治癒切除が可能で,術後DUPAN-2も正常化した. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.25.203 |