炭酸ガス使用における上部内視鏡検査の有用性の検討

目的:炭酸ガス(CO2)は体組織に吸収がよいため,内視鏡検査後の体内ガス減少により苦痛緩和や,その後の検査に影響がでないなどの有用性が期待できる.近年,CO2使用による大腸内視鏡検査が,検査後の苦痛緩和目的に行われている.そこで我々は上部内視鏡検査(esophago-gastro-duodenoscopy:以下,EGDS)におけるCO2使用による患者苦痛の緩和,内視鏡検査直後の腹部超音波検査への影響を検討した. 方法:当院の健診受診者でEGDS,腹部超音波を毎年行っている受診者を対象に検討した.苦痛緩和に関しては,前年との苦痛感の比較をアンケートで評価した.また超音波検査への影響については,E...

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Published in人間ドック Vol. 29; no. 1; pp. 21 - 25
Main Authors 吉田, 宗記, 橋本, ヒロコ, 大井田, 正人, 山辺, さをり, 竹下, 知親, 西元寺, 克禮, 加藤, 彩, 五十嵐, 敬子, 美原, 静香, 宮島, 江里子, 三枝, 陽一, 今崎, 貴夫, 石井, 隆司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2014
日本人間ドック学会
Subjects
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock.29.21

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Summary:目的:炭酸ガス(CO2)は体組織に吸収がよいため,内視鏡検査後の体内ガス減少により苦痛緩和や,その後の検査に影響がでないなどの有用性が期待できる.近年,CO2使用による大腸内視鏡検査が,検査後の苦痛緩和目的に行われている.そこで我々は上部内視鏡検査(esophago-gastro-duodenoscopy:以下,EGDS)におけるCO2使用による患者苦痛の緩和,内視鏡検査直後の腹部超音波検査への影響を検討した. 方法:当院の健診受診者でEGDS,腹部超音波を毎年行っている受診者を対象に検討した.苦痛緩和に関しては,前年との苦痛感の比較をアンケートで評価した.また超音波検査への影響については,EGDSを実施した後に腹部超音波検査を行って画像を評価した.超音波画像を専門検査技師が前年画像と比較して評価を行った. 結果:EGDS後の苦痛緩和に関しては前年より楽,ないしは変わりなかったとの評価であった.超音波画像に関しては約27%に画像の悪化が認められたが,判定不能例はなかった. 結論:CO2使用によるEGDSは,従来法と比較して検査後の不快感を改善することが示唆された.CO2使用によるEGDS後の腹部超音波検査では,画像に若干の影響はあったが,判定には影響がないものと考えられた.これによりEGDSの後に腹部超音波検査が可能になることが示唆された.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.29.21