日常生活での相対的中等強度の身体活動が体重,体脂肪率,最大下有酸素性作業能力と脚力の変化に及ぼす影響

「I はじめに」エクササイズガイド2006では, これまでの計画的・意図的に実施する運動に加えて, 日常の身体活動量を増やすことが推奨され, しかもそれを中等度(3METs)以上の運動強度(以下, 中等強度)で行うことが効果的であるとされている(運動所要量・運動指針の策定検討会, 2006). これは, 中等強度での日常身体活動量が多い者ほど健康度が高いという科学的エビデンスに基づいたものであるが, エクササイズガイド2006の策定にあたり引用された研究は全て, 対象者個々の体力レベルに関係なく一律の絶対的な中等強度で検証した結果である(Lee and Paffenbarger, 2000;...

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Bibliographic Details
Published in体育学研究 Vol. 56; no. 1; pp. 105 - 113
Main Authors 柳川, 真美, 松原, 建史, 小池, 城司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育学会 2011
日本体育学会
Subjects
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ISSN0484-6710
1881-7718
DOI10.5432/jjpehss.10030

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Summary:「I はじめに」エクササイズガイド2006では, これまでの計画的・意図的に実施する運動に加えて, 日常の身体活動量を増やすことが推奨され, しかもそれを中等度(3METs)以上の運動強度(以下, 中等強度)で行うことが効果的であるとされている(運動所要量・運動指針の策定検討会, 2006). これは, 中等強度での日常身体活動量が多い者ほど健康度が高いという科学的エビデンスに基づいたものであるが, エクササイズガイド2006の策定にあたり引用された研究は全て, 対象者個々の体力レベルに関係なく一律の絶対的な中等強度で検証した結果である(Lee and Paffenbarger, 2000; Bucksch, 2005). このため, 絶対的な中等強度(3METs以上)の活動では, 体力レベルが高い者にとっては相対的に低強度に, 体力レベルの低い者にとっては相対的に高強度になってしまい, 仮に絶対的な中等強度の身体活動量が高まったとしても体力や健康度の変化には元々の体力レベルの違いで個人差が生じる可能性が高いと考えられた.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.10030