憩室内の洗浄による腸石排出が奏功した傍乳頭十二指腸憩室炎の 1 例

症例は 73 歳の女性で,3 日前からの右季肋部痛を主訴に紹介受診した。血液検査で炎症反応高値,造影CTでは十二指腸憩室壁の浮腫状変化を認め,十二指腸憩室炎と診断した。内視鏡所見では十二指腸壁の浮腫状肥厚と,十二指腸憩室からの膿汁の排出を認めた。憩室内を洗浄することで腸石の排出を認め,その後は抗菌薬投与で保存的に改善した。十二指腸憩室炎はまれな疾患であり,穿孔を起こさず保存的に治療しえた報告は少ない。処置には愛護的な操作が必要とされるが,憩室の洗浄による腸石の排出は十二指腸憩室炎の治療法の一つとして考慮される。...

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Published inJAPANESE JOURNAL OF HOSPITAL GENERAL MEDICINE Vol. 18; no. 1; pp. 58 - 63
Main Authors 大倉, 佳宏, 山口, 治隆, 川人, 圭祐, 吉岡, 一夫, 谷, 憲治, 池山, 鎭夫, 中西, 嘉憲, 上山, 裕二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本病院総合診療医学会 31.01.2022
JAPAN SOCIETY OF HOSPITAL GENERAL MEDICINE
Subjects
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ISSN2185-8136
2758-7878
DOI10.60227/jhgmwabun.18.1_58

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Summary:症例は 73 歳の女性で,3 日前からの右季肋部痛を主訴に紹介受診した。血液検査で炎症反応高値,造影CTでは十二指腸憩室壁の浮腫状変化を認め,十二指腸憩室炎と診断した。内視鏡所見では十二指腸壁の浮腫状肥厚と,十二指腸憩室からの膿汁の排出を認めた。憩室内を洗浄することで腸石の排出を認め,その後は抗菌薬投与で保存的に改善した。十二指腸憩室炎はまれな疾患であり,穿孔を起こさず保存的に治療しえた報告は少ない。処置には愛護的な操作が必要とされるが,憩室の洗浄による腸石の排出は十二指腸憩室炎の治療法の一つとして考慮される。
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.18.1_58