眼底検査の要精査・要治療対象者受診率70%を目指した取り組み

目的:当センターでは,専任保健師配属後の2018年2月より人間ドック受診後の保健指導および書面や電話による持続的なフォローアップの体制を構築した.そのなかでも特に注力している眼底検査についての取り組みを検討,その効果について報告する.方法:2017年4月~2019年7月の人間ドック受診者のうち,フォローアップ開始前と開始後,さらに強化後(当日の眼底検査で要精密検査・治療判定(以下D判定と記す)のある対象者に4ヵ月後所見に特化した内容の書面を郵送)の3群に分け,それぞれのD判定率と眼科受診率を算出,比較・検討した.結果:眼科受診率では,フォローアップ開始後には64.2%,眼底所見のなかでも高い割...

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Published in人間ドック Vol. 37; no. 3; pp. 497 - 503
Main Authors 田中, 香織, 明後, 祐子, 中村, 昭光, 平野, 理恵, 的場, 聡子, 岩田, 美紗貴, 佐々木, 浩一, 箕浦, 孝晃, 松本, 泳子, 山鳥, 紀子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2022
日本人間ドック学会
Subjects
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock.37.497

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Summary:目的:当センターでは,専任保健師配属後の2018年2月より人間ドック受診後の保健指導および書面や電話による持続的なフォローアップの体制を構築した.そのなかでも特に注力している眼底検査についての取り組みを検討,その効果について報告する.方法:2017年4月~2019年7月の人間ドック受診者のうち,フォローアップ開始前と開始後,さらに強化後(当日の眼底検査で要精密検査・治療判定(以下D判定と記す)のある対象者に4ヵ月後所見に特化した内容の書面を郵送)の3群に分け,それぞれのD判定率と眼科受診率を算出,比較・検討した.結果:眼科受診率では,フォローアップ開始後には64.2%,眼底所見のなかでも高い割合を占めている視神経乳頭陥凹(以下陥凹と記す)に対するフォローアップ強化後には73.2%まで向上した.また,人間ドック受診後のフォローアップ強化により,4ヵ月以降~8ヵ月後時点での眼科受診率が向上した.結論:陥凹に関する説明チラシを郵送することで陥凹所見者の眼科受診率が有意に上昇した.今後も受診率向上・維持のため,人間ドックの受診当日から切れ目のないフォローアップ体制を継続していく必要がある.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.37.497