転倒歴のある高齢糖尿病患者の転倒要因の検討
【目的】高齢糖尿病患者における転倒要因を検討する。【方法】対象者は,糖尿病外来に通院する65 歳以上の高齢糖尿病患者300 名である。転倒予測スコア(Fall risk index:FRI)21 項目と厚生労働省が高齢者の介護予防のために提案している基本チェックリスト(Kihon check list:KCL)21 項目を用い,KCL 総合点に基づいて虚弱判定(虚弱あり:KCL8 以上,虚弱:KCL0-7)を行った。 転倒の有無による2 群間の臨床項目の差異はMann-Whitney U test で解析し,転倒の有無と糖尿病関連項目との関連性はロジスティック回帰分析で検討した。【結果】全対象...
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| Published in | 日本転倒予防学会誌 Vol. 1; no. 1; pp. 37 - 43 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本転倒予防学会
10.06.2014
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 2188-5702 2188-5710 |
| DOI | 10.11335/tentouyobou.1.1_37 |
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| Summary: | 【目的】高齢糖尿病患者における転倒要因を検討する。【方法】対象者は,糖尿病外来に通院する65 歳以上の高齢糖尿病患者300 名である。転倒予測スコア(Fall risk index:FRI)21 項目と厚生労働省が高齢者の介護予防のために提案している基本チェックリスト(Kihon check list:KCL)21 項目を用い,KCL 総合点に基づいて虚弱判定(虚弱あり:KCL8 以上,虚弱:KCL0-7)を行った。 転倒の有無による2 群間の臨床項目の差異はMann-Whitney U test で解析し,転倒の有無と糖尿病関連項目との関連性はロジスティック回帰分析で検討した。【結果】全対象者300 名のうち,転倒あり群は94 名,転倒群は206 名であった。転倒群では,高齢で低身長,網膜症・腎症の合併が多く,低血糖の頻度が高く,認知症と虚弱の合併が多く,糖尿病罹患歴が長期であり,HbA1c 高値,eGFR 低値,Mini-Mental State Examination の成績が悪かった。多重ロジスティック回帰分析で,転倒と有意な関連性がある項目として,年齢と低血糖が抽出された。【考察】高齢糖尿病患者においては,低血糖の回避が転倒事故の防止に重要であると考えられた。【結論】高齢糖尿病患者においては,加齢と低血糖が転倒との関連要因であった。 |
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| ISSN: | 2188-5702 2188-5710 |
| DOI: | 10.11335/tentouyobou.1.1_37 |