Mycobacterium cheloneiによる感染症

Mycobacterium cheloneiによる感染症の文献を展望した. 日本では肺感染症は15例報告されているが, 肺外感染症については報告がない. 外科医がこの感染症に関心を持つことが望まれる. 外国には肺外感染症の報告が多数ある. M.cheloneiは頻々注射後の膿瘍, 手術後の化膿の原因となっている. 時に集団的に発生することがあるので注意を要する. Mycobacterium cheloneiはRunyon(1959)41)のGroup IV(迅速発育性抗酸菌)に属する非光発色性菌である. この菌には2つの亜種subspecies chelonei subspecies absc...

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Published in医療 Vol. 37; no. 4; pp. 352 - 358
Main Author 東村, 道雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1983
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.37.352

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Summary:Mycobacterium cheloneiによる感染症の文献を展望した. 日本では肺感染症は15例報告されているが, 肺外感染症については報告がない. 外科医がこの感染症に関心を持つことが望まれる. 外国には肺外感染症の報告が多数ある. M.cheloneiは頻々注射後の膿瘍, 手術後の化膿の原因となっている. 時に集団的に発生することがあるので注意を要する. Mycobacterium cheloneiはRunyon(1959)41)のGroup IV(迅速発育性抗酸菌)に属する非光発色性菌である. この菌には2つの亜種subspecies chelonei subspecies abscessusが設定されている. この2つのと菌群はTsukamura(1970)48)によって, はじめて区別されたもので, 筆者は今でも, この両者をMycobacterium chelonei(同義語M.borstelense及びMycobacterium abscessusと呼んだ方がよいと思っている. しかし、本報では一応subsp. chelonei)及びsubsp. abscessusと呼んでおく.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.37.352