膵原発Lymphoepithelial cystの1切除例

症例は63歳男性.上腹部違和感にて近医を受診,膵嚢胞性疾患と診断され,当院紹介となった.血液生化学検査ではCA19-9 90.3U/l ,SpanI 45U/ml と高値であった.腹部CTでは10m大の嚢胞と内部に2cm大の結節状の構造物があり,その辺縁のみに造影効果を認めた.ERCPでは,主膵管との交通は認めず圧排所見を認めた.本人の希望にて手術となった.手術所見では,膵頭体部にソフトボール大の腫瘍を認め,胃の剥離は容易であったが,膵体部との剥離が一部困難であった為,膵由来の病変と判断した.嚢胞内には,粥状物と血液まじりの漿液を認めた.嚢胞背側に2cmの血腫を伴う隆起を認めた.病理所見では内...

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Published in膵臓 Vol. 26; no. 2; pp. 219 - 224
Main Authors 御鍵, 和弘, 久下, 亨, 石川, 博人, 堀内, 彦之, 勝本, 充, 川原, 隆一, 木下, 壽文, 石田, 祐介, 岡部, 義信, 加治, 亮平, 安元, 真希子, 北里, 雄平, 江藤, 大明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 2011
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.26.219

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Summary:症例は63歳男性.上腹部違和感にて近医を受診,膵嚢胞性疾患と診断され,当院紹介となった.血液生化学検査ではCA19-9 90.3U/l ,SpanI 45U/ml と高値であった.腹部CTでは10m大の嚢胞と内部に2cm大の結節状の構造物があり,その辺縁のみに造影効果を認めた.ERCPでは,主膵管との交通は認めず圧排所見を認めた.本人の希望にて手術となった.手術所見では,膵頭体部にソフトボール大の腫瘍を認め,胃の剥離は容易であったが,膵体部との剥離が一部困難であった為,膵由来の病変と判断した.嚢胞内には,粥状物と血液まじりの漿液を認めた.嚢胞背側に2cmの血腫を伴う隆起を認めた.病理所見では内部に角化物の貯留する嚢胞性病変であり,隆起部は隔壁様構造物であった.上皮は重層扁平上皮で覆われ,上皮直下にはリンパ組織の形成を認めLymphoepithelial cystと診断された.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.26.219