入浴中の深部温の予測を目的とした改良型Two-nodeモデルの検証

入浴中の熱中症を防止するためには,入浴時の深部体温の上昇を多様な気温条件下で適切に予測可能な人体熱モデルが有用となる.本研究では,既存のTwo-nodeモデルのcore層を2分割するという改良を行ったモデルを開発し,湯温2段階(40℃・42℃),3季節(夏30℃,秋24℃,冬18℃)の計6条件について,男女各6名に対する10分間の入浴実験の結果と比較することで,モデルの妥当性検証を行った.直腸温の実測値とcore温度の計算値の誤差は,従来のTwo-nodeモデルでは0.15℃であるが,改良モデルでは0.11℃と改善された.冬季の湯温40℃条件に限ると,誤差が0.21℃から0.10℃へと大幅に改...

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Published in日本生気象学会雑誌 Vol. 59; no. 3-4; pp. 79 - 88
Main Authors 古賀, 弘子, 前田, 享史, 高田, 暁, 近藤, 勲, 三井, 大地, 藤川, 尚也, 野中, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生気象学会 25.11.2022
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ISSN0389-1313
1347-7617
DOI10.11227/seikisho.59.79

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Summary:入浴中の熱中症を防止するためには,入浴時の深部体温の上昇を多様な気温条件下で適切に予測可能な人体熱モデルが有用となる.本研究では,既存のTwo-nodeモデルのcore層を2分割するという改良を行ったモデルを開発し,湯温2段階(40℃・42℃),3季節(夏30℃,秋24℃,冬18℃)の計6条件について,男女各6名に対する10分間の入浴実験の結果と比較することで,モデルの妥当性検証を行った.直腸温の実測値とcore温度の計算値の誤差は,従来のTwo-nodeモデルでは0.15℃であるが,改良モデルでは0.11℃と改善された.冬季の湯温40℃条件に限ると,誤差が0.21℃から0.10℃へと大幅に改善された.以上より,Two-nodeモデルのcore層を2分割した提案モデルにより,入浴時の深部体温上昇を適切に予測できることが示された.
ISSN:0389-1313
1347-7617
DOI:10.11227/seikisho.59.79