閉塞性黄疸を来した胆嚢腺腫の1例

症例は73歳,男性.2014年2月に右季肋部痛が出現し,腹部超音波検査,CTで胆嚢体部の肝床側に41mm大の乳頭状隆起性病変を認めた.MRCPでは胆嚢管内にも陰影欠損が連続しており,さらにERCP中に行った管腔内超音波検査(IDUS:intraductal ultrasonography)では,胆嚢管内から連続する形で総胆管内に腫瘍が充満していた.手術待機中に右季肋部痛,閉塞性黄疸が出現し緊急入院としたが,保存的加療で軽快した.胆嚢癌を疑い拡大胆嚢摘出術,肝外胆管切除術を施行した.最終病理診断は中~高度異型の胆嚢腺腫であった.本症例では胆嚢腺腫の一部が脱落,あるいは胆嚢から胆嚢管を介して総胆管...

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Published inTando Vol. 30; no. 1; pp. 133 - 139
Main Authors 山元, 啓文, 本山, 健太郎, 橋爪, 健太郎, 森, 泰寿, 奥田, 翔, 家永, 淳, 西山, 憲一, 中房, 祐司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2016
Japan Biliary Association
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.30.133

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Summary:症例は73歳,男性.2014年2月に右季肋部痛が出現し,腹部超音波検査,CTで胆嚢体部の肝床側に41mm大の乳頭状隆起性病変を認めた.MRCPでは胆嚢管内にも陰影欠損が連続しており,さらにERCP中に行った管腔内超音波検査(IDUS:intraductal ultrasonography)では,胆嚢管内から連続する形で総胆管内に腫瘍が充満していた.手術待機中に右季肋部痛,閉塞性黄疸が出現し緊急入院としたが,保存的加療で軽快した.胆嚢癌を疑い拡大胆嚢摘出術,肝外胆管切除術を施行した.最終病理診断は中~高度異型の胆嚢腺腫であった.本症例では胆嚢腺腫の一部が脱落,あるいは胆嚢から胆嚢管を介して総胆管に露出し,一過性に閉塞性黄疸を来したと考えられ,極めて稀であると考えられた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.30.133