クライオプローブ

「はじめに」 気管支鏡による経気道的生検は比較的低侵襲だが, 一方でその診断率は3cm以下の病変で70%前後と報告され, 十分とはいえない. 検査が失敗する理由の1つとして, デバイスによる差はある程度あるものの, 生検鉗子を用いた気管支鏡下生検では得られる検体は約5mm2と総じて小さく, また生検時の圧力による挫滅が加わるために, 適切な病理学的評価が困難な場合があることが挙げられる. 診断率に加えて, 例えば肺癌領域においてはdriver oncogene, PD-L1免疫染色(22C3, 28-8など)のようなバイオマーカー解析が十分に行えないことが問題となる. クライオプローブはERB...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 39; no. 4; pp. 359 - 364
Main Authors 梅村, 茂樹, 仁保, 誠治, 石橋, 昌幸, 桐田, 圭輔, 宇田川, 響, 松本, 慎吾, 後藤, 功一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2017
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.39.4_359

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Summary:「はじめに」 気管支鏡による経気道的生検は比較的低侵襲だが, 一方でその診断率は3cm以下の病変で70%前後と報告され, 十分とはいえない. 検査が失敗する理由の1つとして, デバイスによる差はある程度あるものの, 生検鉗子を用いた気管支鏡下生検では得られる検体は約5mm2と総じて小さく, また生検時の圧力による挫滅が加わるために, 適切な病理学的評価が困難な場合があることが挙げられる. 診断率に加えて, 例えば肺癌領域においてはdriver oncogene, PD-L1免疫染色(22C3, 28-8など)のようなバイオマーカー解析が十分に行えないことが問題となる. クライオプローブはERBE社によって製造・販売されている内視鏡用デバイスであり, 海外では間質性肺疾患や移植肺の生検において非常に高い診断率が報告され, 広く用いられている. また悪性気道狭窄のインターベンションや気道異物, 粘稠な喀痰や凝血塊の除去などにも有効である.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.39.4_359