長期生存が得られた胆嚢扁平上皮癌の1例
症例は86歳の女性で,右季肋部痛を主訴に当院救急外来を受診した.胆嚢内に径40mmの腫瘤性病変が指摘された.胆嚢癌と診断し,拡大胆嚢摘出術およびリンパ節郭清(#12b,c)を施行した.病理組織学的診断は,胆嚢扁平上皮癌T3aN0M0 Stage IIIA,R0切除であった.術後7年8カ月後に他病死され,その際に剖検が施行されたが胆嚢癌の再発は認めなかった.胆嚢癌において,扁平上皮癌はまれな組織型である.その特徴は,腫瘤形成型発育形態をとり,隣接臓器浸潤をきたしやすく,予後は一般に不良とされている.今回,切除により長期予後が得られた胆嚢扁平上皮癌を経験したので,文献的考察を加えて報告する....
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Published in | Tando Vol. 31; no. 4; pp. 737 - 744 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
2017
Japan Biliary Association |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando.31.737 |
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Summary: | 症例は86歳の女性で,右季肋部痛を主訴に当院救急外来を受診した.胆嚢内に径40mmの腫瘤性病変が指摘された.胆嚢癌と診断し,拡大胆嚢摘出術およびリンパ節郭清(#12b,c)を施行した.病理組織学的診断は,胆嚢扁平上皮癌T3aN0M0 Stage IIIA,R0切除であった.術後7年8カ月後に他病死され,その際に剖検が施行されたが胆嚢癌の再発は認めなかった.胆嚢癌において,扁平上皮癌はまれな組織型である.その特徴は,腫瘤形成型発育形態をとり,隣接臓器浸潤をきたしやすく,予後は一般に不良とされている.今回,切除により長期予後が得られた胆嚢扁平上皮癌を経験したので,文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.31.737 |