アクトミオシンファイバーは張力依存的なシグナルを生成するプラットフォームとして機能する

「1. はじめに」筋細胞は収縮力の発生に特化した細胞である. 骨格筋, 心筋, 平滑筋を構成する全ての筋細胞は, 細胞内にアクチンフィラメントとミオシンフィラメントからなる束を有し, 両フィラメントの間の滑り運動によって収縮力を発生する. 興味深いことに, 多くの非筋細胞も, 筋細胞に比べて細く微細構造がやや不明瞭ではあるが, アクチンフィラメントとミオシンフィラメントの束(アクトミオシンファイバーと呼ぶ)を有している. 当初, 非筋細胞のアクトミオシンファイバーが収縮力を発生するのかどうかについては議論があったが, 非筋細胞から取り出したファイバーをATPで処理することにより実際に収縮能があ...

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Published in生物物理 Vol. 60; no. 2; pp. 089 - 093
Main Authors 平田, 宏聡, 曽我部, 正博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本生物物理学会 2020
日本生物物理学会
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ISSN0582-4052
1347-4219
DOI10.2142/biophys.60.089

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Summary:「1. はじめに」筋細胞は収縮力の発生に特化した細胞である. 骨格筋, 心筋, 平滑筋を構成する全ての筋細胞は, 細胞内にアクチンフィラメントとミオシンフィラメントからなる束を有し, 両フィラメントの間の滑り運動によって収縮力を発生する. 興味深いことに, 多くの非筋細胞も, 筋細胞に比べて細く微細構造がやや不明瞭ではあるが, アクチンフィラメントとミオシンフィラメントの束(アクトミオシンファイバーと呼ぶ)を有している. 当初, 非筋細胞のアクトミオシンファイバーが収縮力を発生するのかどうかについては議論があったが, 非筋細胞から取り出したファイバーをATPで処理することにより実際に収縮能があることが確認された. それでは, 非筋細胞のアクトミオシンファイバーにはどのような役割があるのだろうか?
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.60.089