多彩な中枢気道病変と閉塞性換気障害を呈したIgG4関連呼吸器疾患の臨床診断例
背景.近年,気管支壁肥厚を伴うIgG4関連疾患の報告が散見される.症例.78歳,男性.自己免疫性膵炎に対して経口ステロイド漸減中,発作性の乾性咳嗽と労作時呼吸困難が出現し,喘息COPDオーバーラップ(ACO)と診断された.吸入ステロイド薬と気管支拡張薬とで症状は一旦改善したが,ステロイド内服中止後に徐々に労作時呼吸困難が増悪した.血清IgG4は高値で,CTで気管支壁肥厚,気管支鏡検査で気管支内腔に多発結節を認めた.ミクリッツ病の確定診断を受けており,全身ステロイド投与後,気管支壁肥厚,呼吸機能の改善を認め,肺病変もIgG4関連疾患が示唆された.結語.IgG4関連呼吸器疾患には中枢気道病変による...
Saved in:
| Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 40; no. 3; pp. 262 - 267 |
|---|---|
| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
25.05.2018
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI | 10.18907/jjsre.40.3_262 |
Cover
| Summary: | 背景.近年,気管支壁肥厚を伴うIgG4関連疾患の報告が散見される.症例.78歳,男性.自己免疫性膵炎に対して経口ステロイド漸減中,発作性の乾性咳嗽と労作時呼吸困難が出現し,喘息COPDオーバーラップ(ACO)と診断された.吸入ステロイド薬と気管支拡張薬とで症状は一旦改善したが,ステロイド内服中止後に徐々に労作時呼吸困難が増悪した.血清IgG4は高値で,CTで気管支壁肥厚,気管支鏡検査で気管支内腔に多発結節を認めた.ミクリッツ病の確定診断を受けており,全身ステロイド投与後,気管支壁肥厚,呼吸機能の改善を認め,肺病変もIgG4関連疾患が示唆された.結語.IgG4関連呼吸器疾患には中枢気道病変による閉塞性換気障害を呈する病態が存在する.COPDや気管支喘息合併例では診断が困難な症例も存在し,身体所見,血液検査所見,胸郭外病変から総合的に判断する必要があると考えられた. |
|---|---|
| ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI: | 10.18907/jjsre.40.3_262 |