経気管支生検により診断されたメトトレキサート関連悪性リンパ腫の2例

背景.関節リウマチに対してメトトレキサート(MTX)投与中に,リンパ増殖性疾患を呈することが知られている.これらは多くの場合においてリンパ節生検により診断されており,経気管支生検(TBB)による診断は稀である.症例1.75歳,女性.69歳時よりMTXが開始された.75歳時に咳嗽が出現し,両側下葉に限局性浸潤影が出現した.TBBを施行し,濾胞辺縁帯リンパ腫の診断となった.症例2.64歳,男性.50歳時に関節リウマチに罹患し,プレドニゾロン(PSL)及びMTXによる治療が行われていた.体重減少及び右下葉腫瘤影を認め,TBBを施行しびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の診断となった.結論.MTX関連リンパ...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 40; no. 4; pp. 361 - 367
Main Authors 弦間, 昭彦, 坂井, 浩佑, 小島, 章歳, 森山, 岳, 植松, 和嗣, 菊池, 聡, 平田, 優介, 教山, 紘之, 桑原, 由樹, 戸田, 麻衣子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.07.2018
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.40.4_361

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Summary:背景.関節リウマチに対してメトトレキサート(MTX)投与中に,リンパ増殖性疾患を呈することが知られている.これらは多くの場合においてリンパ節生検により診断されており,経気管支生検(TBB)による診断は稀である.症例1.75歳,女性.69歳時よりMTXが開始された.75歳時に咳嗽が出現し,両側下葉に限局性浸潤影が出現した.TBBを施行し,濾胞辺縁帯リンパ腫の診断となった.症例2.64歳,男性.50歳時に関節リウマチに罹患し,プレドニゾロン(PSL)及びMTXによる治療が行われていた.体重減少及び右下葉腫瘤影を認め,TBBを施行しびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の診断となった.結論.MTX関連リンパ増殖性疾患の診断はTBBにより可能であり,比較的生検しやすい表在リンパ節腫脹などがない肺病変を有する症例では,可能であれば積極的にTBBを試みる必要があると考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.40.4_361