胃部X線健診にて発見され，狭帯域光観察が有用と考えられた原発性気管支動脈蔓状血管腫の1例

• Published in: The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 38; no. 6; pp. 510 - 514
• Main Authors: 藤原, 慶一, 渡邉, 洋美, 頼, 冠名, 佐藤, 利雄, 柴山, 卓夫, 佐藤, 賢, 米井, 敏郎
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2016; 日本呼吸器内視鏡学会; The Japan Society for Respiratory Endoscopy
• Subjects: Gastrointestinal radiography; Narrow band imaging bronchoscopy; Racemose hemangioma of the bronchial artery; 気管支動脈蔓状血管腫; 狭帯域光観察; 胃部X線健診
• ISSN: 0287-2137; 2186-0149
• DOI: 10.18907/jjsre.38.6_510

背景．原発性気管支動脈蔓状血管腫は，先天性に気管支動脈の形態異常を呈する比較的稀な疾患であり，気管支動脈が蔓状に拡張し，蛇行，増生，屈曲などを来す．症例．66歳，女性．症状は．胃部X線健診で異常を指摘された．胸部CTにて右気管支動脈の著明な拡張，蛇行を認めた．気管支動脈造影検査では，右気管支動脈が全長にわたり拡張，屈曲，蛇行し，下葉支レベルで気管支動脈-肺動脈シャントが形成されていた．また，右気管支動脈末梢では動脈瘤を認めた．気管支鏡検査では，右主気管支，上葉支，中葉支，下葉支内腔に暗紫色の血管隆起を認め，一部は拍動を認めた．狭帯域光観察によりこれらは緑色に描出された．原発性気管支動脈蔓状血管腫と診断し，今後の出血のリスクを考え気管支動脈結紮・切除術を施行した．結論．無症状にて胃部X線健診で発見された，原発性気管支動脈蔓状血管腫の症例を経験した．