緩和ケア病棟における後天性免疫不全症候群患者の受け入れについての検討

緩和ケア病棟における後天性免疫不全症候群(AIDS)患者の受け入れ状況を調べるために, 139施設に対してアンケート調査を行い98施設から回答が得られた. AIDS患者の入院基準を決めている施設は17.3%, AIDS患者を受け入れられないとしている施設は36.7%, 検討予定の施設は40.8%であった. 終末期の悪性腫瘍患者がヒト免疫不全ウイルス(HIV)陽性であった場合の受け入れについて, 受け入れ可能と答えた施設は52.2%, 受け入れられないと答えた施設は47.8%であった. HIV感染者を受け入れられない理由としては, AIDS拠点病院が受け入れることになっている, 受け入れ体制がで...

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Published in医療 Vol. 62; no. 8; pp. 436 - 439
Main Authors 菅原, 美花, 織田, 幸子, 今井, 敦子, 山田, 由美子, 池田, 和子, 城崎, 真弓, 遠藤, 卓, 大野, 稔子, 永井, 英明, 小西, 加保留, 山田, 三枝子, 河部, 康子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 2008
国立医療学会
Subjects
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.62.436

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Summary:緩和ケア病棟における後天性免疫不全症候群(AIDS)患者の受け入れ状況を調べるために, 139施設に対してアンケート調査を行い98施設から回答が得られた. AIDS患者の入院基準を決めている施設は17.3%, AIDS患者を受け入れられないとしている施設は36.7%, 検討予定の施設は40.8%であった. 終末期の悪性腫瘍患者がヒト免疫不全ウイルス(HIV)陽性であった場合の受け入れについて, 受け入れ可能と答えた施設は52.2%, 受け入れられないと答えた施設は47.8%であった. HIV感染者を受け入れられない理由としては, AIDS拠点病院が受け入れることになっている, 受け入れ体制ができていない, 未検討・基準がない, HIV感染症の治療経験がないなどがあげられた. 悪性腫瘍合併のないAIDS患者の受け入れ基準についての検討, 抗HIV療法を行うための診療報酬の支援, 職員のHIV感染症についての研修, HIV陽性の悪性腫瘍終末期患者を受け入れる体制の整備などが必要と思われた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.62.436