胆管プラスチックステント留置後に出血をきたし開腹手術となった1例

症例は85歳,男性,胃癌に対する幽門側胃切除術後Billrott-II法再建例.総胆管結石による急性胆管炎に対して内視鏡的に両端pig-tail型の胆管ステントを留置したが,5日後の結石除去を目的とした内視鏡的処置の際に乳頭からの出血をみとめ,胆道出血と診断した.責任血管の同定ならびに塞栓目的にて腹部血管造影を施行したが,出血部位は同定できず,なおも貧血および胆管炎が進行するため開腹手術となった.医原性胆道出血の原因としては,経皮的胆道ドレナージ(PTBD)が多いが,内視鏡的胆道ステント留置後の出血例は報告が少ない.内視鏡的に胆管プラスチックステント留置後に胆道出血をきたし,経カテーテル的には...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inTando Vol. 32; no. 2; pp. 284 - 289
Main Authors 小嶋, 聡生, 岡部, 義信, 室屋, 大輔, 久下, 亨, 安元, 真希子, 奥田, 康司, 名嘉眞, 陽平, 川原, 隆一, 石田, 祐介, 新井, 相一郎, 石川, 博人, 牛島, 知之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.05.2018
Japan Biliary Association
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.32.284

Cover

More Information
Summary:症例は85歳,男性,胃癌に対する幽門側胃切除術後Billrott-II法再建例.総胆管結石による急性胆管炎に対して内視鏡的に両端pig-tail型の胆管ステントを留置したが,5日後の結石除去を目的とした内視鏡的処置の際に乳頭からの出血をみとめ,胆道出血と診断した.責任血管の同定ならびに塞栓目的にて腹部血管造影を施行したが,出血部位は同定できず,なおも貧血および胆管炎が進行するため開腹手術となった.医原性胆道出血の原因としては,経皮的胆道ドレナージ(PTBD)が多いが,内視鏡的胆道ステント留置後の出血例は報告が少ない.内視鏡的に胆管プラスチックステント留置後に胆道出血をきたし,経カテーテル的には止血が困難であり,開腹手術となった1例を経験したので報告する.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.32.284