気管支サーモプラスティが有効であった高度の閉塞性換気障害を有する難治性喘息の1例
背景.気管支サーモプラスティ(bronchial thermoplasty:BT)は難治性喘息に対する非薬物療法として本邦でも普及が進んでいるが,高度の閉塞性換気障害を有する喘息症例での有効性は確立していない.症例.56歳男性.小児期に喘息を発症し,アウトグローせずに経過した.高用量の吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬配合剤,吸入長時間作用性抗コリン薬,ロイコトリエン拮抗薬,テオフィリン,経口ステロイド,オマリズマブによる治療を行っていたが,喘息コントロールは不良で1年間に8回の経口ステロイド追加投与を要した.1秒量(%予測値)は0.78 l(26.5%)と高度の閉塞性換気障害を認めた....
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 40; no. 5; pp. 479 - 483 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
25.09.2018
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.40.5_479 |
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Summary: | 背景.気管支サーモプラスティ(bronchial thermoplasty:BT)は難治性喘息に対する非薬物療法として本邦でも普及が進んでいるが,高度の閉塞性換気障害を有する喘息症例での有効性は確立していない.症例.56歳男性.小児期に喘息を発症し,アウトグローせずに経過した.高用量の吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬配合剤,吸入長時間作用性抗コリン薬,ロイコトリエン拮抗薬,テオフィリン,経口ステロイド,オマリズマブによる治療を行っていたが,喘息コントロールは不良で1年間に8回の経口ステロイド追加投与を要した.1秒量(%予測値)は0.78 l(26.5%)と高度の閉塞性換気障害を認めた.局所麻酔下にBTを施行し,有害事象なく治療を完遂した.治療9か月後の時点でquality of lifeと増悪頻度の改善を認め,オマリズマブを中止することができた.結論.BTは高度の閉塞性換気障害を有する喘息症例でも有効な治療選択肢となる可能性があり,さらなる症例集積と検討が必要である. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.40.5_479 |