経口胆道鏡が術前診断に有用であった胆管内乳頭状腫瘍の1例

今回,我々は経口胆道鏡(Peroral Cholangioscopy;POCS)を用いることによって,腫瘍の局在及びその範囲診断と,直視下生検による病理組織診断が可能であったIntraductal Papillaly Neoplasm of the Bile duct(IPNB)の1例を経験したので報告する.症例は43歳女性.倦怠感を主訴に他院を受診.血液検査で肝機能異常を指摘され,腹部超音波検査で肝左葉に嚢胞性腫瘤を認め当院に受診した.当院でのCTやMRIでは肝左葉に90 mm大の嚢胞性病変と,左肝内胆管の拡張,嚢胞性病変の内部には造影効果を伴う充実成分を認めた.ERCPでは主乳頭はfish...

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Published inTando Vol. 29; no. 1; pp. 103 - 109
Main Authors 川野, 壽宙, 竹澤, 三代子, 岩井, 知久, 金子, 亨, 大部, 誠, 宮澤, 志朗, 木田, 光広, 奥脇, 興介, 今泉, 弘, 山内, 浩史, 小泉, 和三郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2015
Japan Biliary Association
一般社団法人 日本胆道学会
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.29.103

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Summary:今回,我々は経口胆道鏡(Peroral Cholangioscopy;POCS)を用いることによって,腫瘍の局在及びその範囲診断と,直視下生検による病理組織診断が可能であったIntraductal Papillaly Neoplasm of the Bile duct(IPNB)の1例を経験したので報告する.症例は43歳女性.倦怠感を主訴に他院を受診.血液検査で肝機能異常を指摘され,腹部超音波検査で肝左葉に嚢胞性腫瘤を認め当院に受診した.当院でのCTやMRIでは肝左葉に90 mm大の嚢胞性病変と,左肝内胆管の拡張,嚢胞性病変の内部には造影効果を伴う充実成分を認めた.ERCPでは主乳頭はfish mouth様に開口し,胆管造影では左肝管から中部胆管まで及ぶfilling defectを認め,胆管と交通を有する嚢胞域が造影された.POCSでは左肝管に乳頭状の粘膜が観察され,肝門部の胆管粘膜は併用したNBI観察所見を含めて正常であった.POCS下胆管生検によりIPNBと診断した.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.29.103