破裂椎骨動脈解離に対する治療: 血管内治療を基本とした治療成績の検討

「はじめに」破裂椎骨動脈解離は発症後早期に再破裂をきたすことが多く, 再破裂を起こすと予後が極めて不良となるため緊急に止血可能な治療が必要な疾患である. 脳卒中治療ガイドライン2009においても外科的治療が選択された際には, 発症後24時間以内の治療が望ましいとされており, 当施設では早期に治療が可能なEndovascular Therapy(EVT)を行うことを基本方針としている. そこで, 当施設の治療成績を後方視的に検討した. 「対象と方法」2008年4月から2013年3月までに破裂椎骨動脈解離と診断した20例(男性16例, 女性4例)を対象とした. 入院時の頭部CTおよびCT angi...

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Published inJournal of Japanese Congress on Neurological Emergencies Vol. 26; no. 2; pp. 27 - 31
Main Authors 片桐, 彰久, 村田, 佳宏, 平山, 晃康, 松崎, 粛統, 藤原, 徳生, 片山, 容一, 吉野, 篤緒, 高田, 能行, 渋谷, 肇, 須磨, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経救急学会 2014
The Japanese Congress on Neurological Emergencies
Subjects
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ISSN1619-3067
2187-5006
DOI10.11170/jjcne.26.2_27

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Summary:「はじめに」破裂椎骨動脈解離は発症後早期に再破裂をきたすことが多く, 再破裂を起こすと予後が極めて不良となるため緊急に止血可能な治療が必要な疾患である. 脳卒中治療ガイドライン2009においても外科的治療が選択された際には, 発症後24時間以内の治療が望ましいとされており, 当施設では早期に治療が可能なEndovascular Therapy(EVT)を行うことを基本方針としている. そこで, 当施設の治療成績を後方視的に検討した. 「対象と方法」2008年4月から2013年3月までに破裂椎骨動脈解離と診断した20例(男性16例, 女性4例)を対象とした. 入院時の頭部CTおよびCT angiographyにおいて椎骨動脈解離による出血と診断され, EVTが可能と判断されれば速やかにEVTを行った. EVTは健側の椎骨動脈が充分な径を有する, また内頸動脈系からの側副血行が脳底動脈まで灌流し, 親動脈を閉塞可能と判断した症例においてはinternal trapping(IT)を行い, 両側の椎骨動脈に解離を認めるなどの理由で親動脈閉塞が適当でないと判断された症例にはstent-assisted coiling(SAC)を行った.
ISSN:1619-3067
2187-5006
DOI:10.11170/jjcne.26.2_27