超音波骨切削器具の違いによる切削効率と切削面積および騒音の比較

「緒言」超音波振動切削機器は, 従来使用されてきたマイクロソーや回転切削器具と比較すると低侵襲であり, 現在, 支台歯形成や外科処置など多領域にわたって使用されている. この理由として従来使用される回転切削機器に比較し, 神経や血管を含め軟組織に対しての損傷が少ないこと, キャビテーション効果による低出血性, 術野の明瞭化が挙げられる. また, 組織学的にも回転切削器具と比較して超音波切削器具を用いた場合には組織への侵襲が少なく手術部周囲骨の治癒が早いとの報告もある. このことから超音波振動を用いた切削機器が骨切除, 骨移植, 上顎洞底挙上術, スプリットクレスト, 下歯槽神経移動術, インプ...

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Published inJournal of Japanese Society of Oral Implantology Vol. 29; no. 3; pp. 167 - 172
Main Authors 小澤, 誠, 廣安, 一彦, 瀬戸, 宗嗣, 中村, 雅裕, 五十嵐, 健輔, 渡邉, 文彦, 勝田, 康弘, 上田, 一彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本口腔インプラント学会 2016
日本口腔インプラント学会
Japanese Society of Oral Implantology
Subjects
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ISSN0914-6695
2187-9117
DOI10.11237/jsoi.29.167

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Summary:「緒言」超音波振動切削機器は, 従来使用されてきたマイクロソーや回転切削器具と比較すると低侵襲であり, 現在, 支台歯形成や外科処置など多領域にわたって使用されている. この理由として従来使用される回転切削機器に比較し, 神経や血管を含め軟組織に対しての損傷が少ないこと, キャビテーション効果による低出血性, 術野の明瞭化が挙げられる. また, 組織学的にも回転切削器具と比較して超音波切削器具を用いた場合には組織への侵襲が少なく手術部周囲骨の治癒が早いとの報告もある. このことから超音波振動を用いた切削機器が骨切除, 骨移植, 上顎洞底挙上術, スプリットクレスト, 下歯槽神経移動術, インプラント埋入窩形成, インプラント体除去といった外科処置時に臨床応用がされ, その有用性について報告されている. しかし, この外科処置への有用性に関する報告の多くは術式や症例報告などであり, 超音波骨切削器具を用いた切削の利点について報告しているものの, 各種の超音波骨切削器具の切削効率, 切削時の被切削体の切削ロス, 切削時の騒音などについて比較した基礎研究は少ない.
ISSN:0914-6695
2187-9117
DOI:10.11237/jsoi.29.167