肝門部悪性胆道狭窄に対するステント留置術
肝門部悪性胆道狭窄とは悪性疾患により肝外胆管のBc領域を巻き込んだ胆道狭窄である.この狭窄に対するステント留置術は技術的難度が高く,区域性胆管炎をどのようにしてマネージするかが最大の課題となる.その際,問題となるのは①アプローチルート,②ステントの種類,③ステントの留置形式である.アプローチルートに関しては非切除例であれば,内視鏡を用いる方が患者負担は少ないが,技術的難度は高くなる.ステントの種類では開存期間を優先すればmetallic stentだが,閉塞時の対応はやや困難となってくる.また,ステントの留置形式に関しては片葉または両葉の優位性ははっきりとしていない.つまり,どの選択をしても長...
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| Published in | Tando Vol. 29; no. 1; pp. 85 - 93 |
|---|---|
| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本胆道学会
2015
Japan Biliary Association 一般社団法人 日本胆道学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
| DOI | 10.11210/tando.29.85 |
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| Summary: | 肝門部悪性胆道狭窄とは悪性疾患により肝外胆管のBc領域を巻き込んだ胆道狭窄である.この狭窄に対するステント留置術は技術的難度が高く,区域性胆管炎をどのようにしてマネージするかが最大の課題となる.その際,問題となるのは①アプローチルート,②ステントの種類,③ステントの留置形式である.アプローチルートに関しては非切除例であれば,内視鏡を用いる方が患者負担は少ないが,技術的難度は高くなる.ステントの種類では開存期間を優先すればmetallic stentだが,閉塞時の対応はやや困難となってくる.また,ステントの留置形式に関しては片葉または両葉の優位性ははっきりとしていない.つまり,どの選択をしても長所と短所があり,患者の予後,併用療法,閉塞時の対応も含めた術者の技量,コスト面での判断が大切である.患者の肝門部胆管の分岐パターンを十分認識した上で,最良のデバイスを選択し,安全なステント留置を心掛ける必要がある. |
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| ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
| DOI: | 10.11210/tando.29.85 |