膵疾患診断における造影ハーモニック超音波内視鏡検査の有用性

超音波内視鏡検査(EUS)は他の画像診断と比較すると高解像度のため,2cm以下のTS-1膵癌の診断に有用である.しかしながら,EUSにて低エコー腫瘤として描出された病変でもその鑑別診断に難渋する場合がある.筆者らはEUS領域において造影ハーモニック法による膵実質染影像の撮像を可能にしたシステムを開発した.造影ハーモニックEUS検査(CH-EUS)により膵充実性病変はAvascular,Hypovascular,IsovascularおよびHypervascularの4パターンに分類される.通常型膵癌をHypovascularパターンとした場合,CH-EUSによる膵癌診断の感度および特異度はそれ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in膵臓 Vol. 26; no. 1; pp. 23 - 28
Main Authors 工藤, 正俊, 安田, 武生, 小牧, 孝充, 北野, 雅之, 鎌田, 研, 坂本, 洋城, 竹山, 宜典, 今井, 元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 2011
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.26.23

Cover

More Information
Summary:超音波内視鏡検査(EUS)は他の画像診断と比較すると高解像度のため,2cm以下のTS-1膵癌の診断に有用である.しかしながら,EUSにて低エコー腫瘤として描出された病変でもその鑑別診断に難渋する場合がある.筆者らはEUS領域において造影ハーモニック法による膵実質染影像の撮像を可能にしたシステムを開発した.造影ハーモニックEUS検査(CH-EUS)により膵充実性病変はAvascular,Hypovascular,IsovascularおよびHypervascularの4パターンに分類される.通常型膵癌をHypovascularパターンとした場合,CH-EUSによる膵癌診断の感度および特異度はそれぞれ89~96%および64~89%であり,特にTS-1膵癌における診断能はMDCTを凌駕していた.さらに,CH-EUSは,膵管内乳頭粘液性腫瘍における壁在結節に血流が存在することで,粘液塊との識別を容易にした.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.26.23