盲腸軸捻転症を来した学童の1例

盲腸軸捻転症の小児の1 例を経験した.症例は9 歳男児で,腹痛・嘔吐を主訴に受診.腹部単純X 線検査,腹部CT 検査より鏡面像を伴う巨大に拡張した腸管とwhirl sign を認め,小腸軸捻転疑いで緊急開腹術を施行した.開腹所見は,回盲部が720 度時計回りに捻転し,壊死しており,回盲部切除を施行した.上行結腸間膜が後腹膜に固定されておらず,移動性盲腸と判断した.後方視的に画像を検討すると,腹部単純X 線では左側に大腸の拡張像,右側に小腸の拡張像が見られ,盲腸軸捻転症に典型的な所見であった.盲腸軸捻転症は小児では特に稀な疾患であるが,腸閉塞の原因の鑑別として念頭に置くべきである....

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Bibliographic Details
Published in日本小児外科学会雑誌 Vol. 49; no. 4; pp. 929 - 933
Main Authors 中條, 悟, 岩間, 英明, 鈴木, 久美子, 片山, 哲夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児外科学会 20.06.2013
日本小児外科学会
Subjects
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ISSN0288-609X
2187-4247
DOI10.11164/jjsps.49.4_929

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Summary:盲腸軸捻転症の小児の1 例を経験した.症例は9 歳男児で,腹痛・嘔吐を主訴に受診.腹部単純X 線検査,腹部CT 検査より鏡面像を伴う巨大に拡張した腸管とwhirl sign を認め,小腸軸捻転疑いで緊急開腹術を施行した.開腹所見は,回盲部が720 度時計回りに捻転し,壊死しており,回盲部切除を施行した.上行結腸間膜が後腹膜に固定されておらず,移動性盲腸と判断した.後方視的に画像を検討すると,腹部単純X 線では左側に大腸の拡張像,右側に小腸の拡張像が見られ,盲腸軸捻転症に典型的な所見であった.盲腸軸捻転症は小児では特に稀な疾患であるが,腸閉塞の原因の鑑別として念頭に置くべきである.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.49.4_929