胃癌化学療法の変遷

「はじめに」胃癌は, 世界で4番目に多いヒトの悪性疾患であり, 2番目に多い癌関連の死因である. 日本での胃癌による死亡例数は年間約5万人であり, 国内の悪性新生物による死因の第2位である. 対人口10万人として, その死亡率は男女それぞれ53.9, 33.2(1980年), 53.3, 26.3(2011年)と減少傾向にあるが, 一方の罹患率は依然として高く, 1980年には男女それぞれ86.8, 49.3であったのが, 2011年にはそれぞれ144.9, 63.9と上昇し, 男性では第1位, 女性では乳癌についで第2位となっている. 本邦の胃癌治療において, 外科治療, 抗癌剤治療, 内視...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 15; no. 4; pp. 155 - 163
Main Authors 藤田, 逸郎, 金沢, 義一, 松谷, 毅, 萩原, 信敏, 松野, 邦彦, 野村, 務, 加藤, 俊二, 柿沼, 大輔, 吉行, 俊郎, 吉田, 寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 15.10.2019
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ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.15.155

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Summary:「はじめに」胃癌は, 世界で4番目に多いヒトの悪性疾患であり, 2番目に多い癌関連の死因である. 日本での胃癌による死亡例数は年間約5万人であり, 国内の悪性新生物による死因の第2位である. 対人口10万人として, その死亡率は男女それぞれ53.9, 33.2(1980年), 53.3, 26.3(2011年)と減少傾向にあるが, 一方の罹患率は依然として高く, 1980年には男女それぞれ86.8, 49.3であったのが, 2011年にはそれぞれ144.9, 63.9と上昇し, 男性では第1位, 女性では乳癌についで第2位となっている. 本邦の胃癌治療において, 外科治療, 抗癌剤治療, 内視鏡的治療と, これら3つが癌に立ち向かう手段である. なかでも進行癌に対しては, 外科治療と抗癌剤治療は治療の主体となる. 胃癌治療は, 手術的切除のみが根治をもたらす可能性があるが, 進行胃癌では再発の可能性が残る.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.15.155