小児腟内異物の2例

腟内異物はあらゆる年齢で起こりえるが,小児ではまれである.われわれは2例の腟内異物を経験したので報告する.症例1は11歳女児.10か月前から悪臭を伴う帯下を認めていた.右下腹部痛を訴えて前医を受診,CTで腟内異物を疑われ当院紹介となった.腹部超音波検査(US),MRI検査から子宮頸部の絞扼が疑われ緊急手術を行った.全身麻酔下に異物摘出を行ったところ,子宮頸部は円筒状の異物に嵌頓していたが,異物除去により色調は改善した.術後,症状は速やかに改善した.虐待対策委員会により性的虐待の可能性は低いと判断され,小児心療内科医の介入を行い退院となった.異物挿入の経緯については不明であった.症例2は13歳女...

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Published in日本小児外科学会雑誌 Vol. 57; no. 3; pp. 700 - 706
Main Authors 今福, 紀章, 黒田, 征加, 児玉, 匡, 阪, 龍太, 白河, 伸介, 山下, 定儀, 井深, 奏司, 細木, 瑞穂, 山本, 暖
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児外科学会 20.04.2021
日本小児外科学会
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ISSN0288-609X
2187-4247
DOI10.11164/jjsps.57.3_700

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Summary:腟内異物はあらゆる年齢で起こりえるが,小児ではまれである.われわれは2例の腟内異物を経験したので報告する.症例1は11歳女児.10か月前から悪臭を伴う帯下を認めていた.右下腹部痛を訴えて前医を受診,CTで腟内異物を疑われ当院紹介となった.腹部超音波検査(US),MRI検査から子宮頸部の絞扼が疑われ緊急手術を行った.全身麻酔下に異物摘出を行ったところ,子宮頸部は円筒状の異物に嵌頓していたが,異物除去により色調は改善した.術後,症状は速やかに改善した.虐待対策委員会により性的虐待の可能性は低いと判断され,小児心療内科医の介入を行い退院となった.異物挿入の経緯については不明であった.症例2は13歳女児.自分で鉛筆を挿入したが,キャップが遺残したため来院.特に症状は.USとCTで腟内異物を確認し全身麻酔下に摘出を行った.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.57.3_700