経皮・内視鏡的アプローチを併施して治療した胆管との交通をもつ感染性肝嚢胞の1例

症例は69歳女性,発熱・右季肋部痛にて当院受診しCT検査にて感染性肝嚢胞が疑われ入院となった.経皮経肝嚢胞ドレナージ(PTAD)を施行し,DIC状態に対して薬物治療を開始した.PTAD tube造影では肝嚢胞と前区域胆管との交通が疑われ,ERCP下での胆管ドレナージ(EBD)を併用したことで感染がコントロールされDICは改善し,PTAD tube及びEBD留置のまま一時退院となった.7週間後に発熱を認め再入院となり,PTAD tube造影でEBDの閉塞に伴い,再び前区域胆管との交通を認めたためEBDを抜去し,PTAD tubeの位置調節を行い,膿瘍腔は消失した.その後外来にてtubeを抜去し,...

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Published inTando Vol. 32; no. 4; pp. 782 - 787
Main Authors 宮内, 洋平, 大塚, 将之, 安蒜, 聡, 志村, 賢範, 吉留, 博之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.10.2018
Japan Biliary Association
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.32.782

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Summary:症例は69歳女性,発熱・右季肋部痛にて当院受診しCT検査にて感染性肝嚢胞が疑われ入院となった.経皮経肝嚢胞ドレナージ(PTAD)を施行し,DIC状態に対して薬物治療を開始した.PTAD tube造影では肝嚢胞と前区域胆管との交通が疑われ,ERCP下での胆管ドレナージ(EBD)を併用したことで感染がコントロールされDICは改善し,PTAD tube及びEBD留置のまま一時退院となった.7週間後に発熱を認め再入院となり,PTAD tube造影でEBDの閉塞に伴い,再び前区域胆管との交通を認めたためEBDを抜去し,PTAD tubeの位置調節を行い,膿瘍腔は消失した.その後外来にてtubeを抜去し,現在再燃なく外来通院中である.本例は胆管と交通を持った肝嚢胞の感染例であり,適切に経皮的・内視鏡的アプローチを選択することで治療できた1例であり文献的考察を含め報告する.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.32.782