電子ネットワークを利用して診断・治療を行なった高齢者難治性皮膚潰瘍症例の検討
難治性皮膚潰瘍に対して電子ネットワークを利用した臨床写真画像転送による大学病院と地域病院の診療連携体制を構築し, 診断治療にあたる試みを行ない, その有用性を検討した。2013年4月から2014年3月までの間に75歳以上の難治性皮膚潰瘍の患者で手術を必要とした26例を対象とした。臨床写真を電子メールに添付し共同研究者である島根大学医学部付属病院皮膚科形成外科診療担当医に配信, チャット形式での検討により, 治療方針を決定し, 熱傷瘢痕9例, 褥瘡7例, 虚血肢3例, 悪性腫瘍1例, 外傷6例に対して地域病院で手術および周術期管理を行なった。術式変更となったものは遊離植皮術を予定していた熱傷瘢痕...
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Published in | 日本農村医学会雑誌 Vol. 63; no. 5; pp. 747 - 752 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
01.01.2015
日本農村医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0468-2513 1349-7421 |
DOI | 10.2185/jjrm.63.747 |
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Summary: | 難治性皮膚潰瘍に対して電子ネットワークを利用した臨床写真画像転送による大学病院と地域病院の診療連携体制を構築し, 診断治療にあたる試みを行ない, その有用性を検討した。2013年4月から2014年3月までの間に75歳以上の難治性皮膚潰瘍の患者で手術を必要とした26例を対象とした。臨床写真を電子メールに添付し共同研究者である島根大学医学部付属病院皮膚科形成外科診療担当医に配信, チャット形式での検討により, 治療方針を決定し, 熱傷瘢痕9例, 褥瘡7例, 虚血肢3例, 悪性腫瘍1例, 外傷6例に対して地域病院で手術および周術期管理を行なった。術式変更となったものは遊離植皮術を予定していた熱傷瘢痕に対して局所皮弁術を施行した2例 (7.7%) であった。術後, 重篤な合併症を発生した症例はなく, また, 再手術を必要とした症例は外傷に対して縫合閉鎖した1例 (3.8%) のみであった。電子ネットワークを利用した大学病院と地域病院の診療連携により高齢者難治性皮膚潰瘍の診断・治療を地域病院で展開することが可能であった。 |
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ISSN: | 0468-2513 1349-7421 |
DOI: | 10.2185/jjrm.63.747 |