巨大外側半月板嚢腫に対し関節鏡視下に半月板交通部拡大と嚢腫切除,半月板縫合術を施行した1例

「はじめに」半月板嚢腫は半月板損傷に起因する発生が多いと言われている. Reaganらは損傷部に関節液が流入し, 同部位のcheck valve機構から一方向に関節液が流れることで嚢腫が発生すると報告している. しかし, 周囲には関節包を含め複数の関節支持機構が存在しており, 嚢腫が巨大化することはまれである. 今回, 巨大外側半月板嚢腫に対し, 関節鏡視下に半月板交通部拡大, 嚢腫切除と半月板縫合術を併用し良好な治療経過を得た1例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 「症例」34歳男性. 3年前から誘因なく左膝痛があったが生活に支障はなかったため医療機関を受診していなかった. しかし...

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Published inJapanese Journal of Joint Diseases Vol. 41; no. 4; pp. 301 - 304
Main Authors 松岡, 恒弘, 香取, 庸一, 関, 健, 山本, 謙吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本関節病学会 2022
Japanese Society for Joint Diseases
Subjects
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ISSN1883-2873
1884-9067
DOI10.11551/jsjd.41.301

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Summary:「はじめに」半月板嚢腫は半月板損傷に起因する発生が多いと言われている. Reaganらは損傷部に関節液が流入し, 同部位のcheck valve機構から一方向に関節液が流れることで嚢腫が発生すると報告している. しかし, 周囲には関節包を含め複数の関節支持機構が存在しており, 嚢腫が巨大化することはまれである. 今回, 巨大外側半月板嚢腫に対し, 関節鏡視下に半月板交通部拡大, 嚢腫切除と半月板縫合術を併用し良好な治療経過を得た1例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 「症例」34歳男性. 3年前から誘因なく左膝痛があったが生活に支障はなかったため医療機関を受診していなかった. しかし, 症状が増悪傾向となったために当院を受診した. スポーツ歴や外傷歴はなかった. 左膝可動域は0~120度と右膝と比較して15度の屈曲制限があった.
ISSN:1883-2873
1884-9067
DOI:10.11551/jsjd.41.301