歯肉縁上歯石の形態と組成における加齢変化

加齢に伴う歯石の構造及び組成変化についての研究は少ない.青年期の20歳代と成人期の40歳代以降の歯石を用いて,その歯石の構造及び組成変化について比較検討を行った.歯石は縁上歯石の青年期12例及び成人期15例を用いた.歯石の構造は実体顕微鏡や走査型電子顕微鏡を用いて観察し,エネルギー分散型X線分光分析装置にて歯石内の化学組成の分析を行った.青年期では顆粒状の結晶が多くみられた.成人期では層状構造をしており,顆粒状,線維状あるいはフレーク状などの結晶が観察された.歯石を構成している元素には青年や成人とも,CaとPが多く含まれており,微量元素ではNaとMgが検出された.NaとMgの含有量に年齢差が生...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJournal of the Japanese Association of Regenerative Dentistry Vol. 5; no. 1; pp. 11 - 19
Main Authors 西野, 彰恭, 見明, 康雄, 和食, 沙紀, 大久保, 厚司, 柳澤, 孝彰, 三島, 弘幸, 川井, 郁子, 田中, 和夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本再生歯科医学会 2007
Japanese Association of Regenerative Dentistry
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1348-9615
1880-0815
DOI10.11223/jard.5.11

Cover

More Information
Summary:加齢に伴う歯石の構造及び組成変化についての研究は少ない.青年期の20歳代と成人期の40歳代以降の歯石を用いて,その歯石の構造及び組成変化について比較検討を行った.歯石は縁上歯石の青年期12例及び成人期15例を用いた.歯石の構造は実体顕微鏡や走査型電子顕微鏡を用いて観察し,エネルギー分散型X線分光分析装置にて歯石内の化学組成の分析を行った.青年期では顆粒状の結晶が多くみられた.成人期では層状構造をしており,顆粒状,線維状あるいはフレーク状などの結晶が観察された.歯石を構成している元素には青年や成人とも,CaとPが多く含まれており,微量元素ではNaとMgが検出された.NaとMgの含有量に年齢差が生じる可能性が示唆された.Ca/P比は,青年期では平均値1.19であり,成人期のCa/P比の平均値は1.46であった.年齢により歯石内の結晶に差異が生じる可能性が示唆された.
ISSN:1348-9615
1880-0815
DOI:10.11223/jard.5.11