ラマン分光分析およびフーリエ変換赤外線分析を用いたβ線滅菌UHMWPE脛骨インサートの解析
「研究背景」 1960年代にJohn Charnleyが人工股関節のソケットに使用して以来, 様々な改良を重ねてきた超高分子量ポリエチレン(以下, UHMWPE)は, 現在も人工関節摺動面において必要不可欠な材料として考えられている. 人工膝関節置換術に関しても長らく摺動面に使用されており, 良好な長期成績を収めているが, それでもなお摩耗粉に伴う骨溶解や弛みなどの報告が散見される. そのため, UHMWPEの摩耗抵抗性をより高くするために現在もハイリークロスリンクポリエチレンやビタミンE添加ポリエチレンなどといった様々な工夫が施されているが, 人工膝関節置換術に関しては今も多くが従来型のUH...
Saved in:
Published in | 日本関節病学会誌 Vol. 36; no. 2; pp. 147 - 154 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本関節病学会
2017
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1883-2873 1884-9067 |
DOI | 10.11551/jsjd.36.147 |
Cover
Summary: | 「研究背景」 1960年代にJohn Charnleyが人工股関節のソケットに使用して以来, 様々な改良を重ねてきた超高分子量ポリエチレン(以下, UHMWPE)は, 現在も人工関節摺動面において必要不可欠な材料として考えられている. 人工膝関節置換術に関しても長らく摺動面に使用されており, 良好な長期成績を収めているが, それでもなお摩耗粉に伴う骨溶解や弛みなどの報告が散見される. そのため, UHMWPEの摩耗抵抗性をより高くするために現在もハイリークロスリンクポリエチレンやビタミンE添加ポリエチレンなどといった様々な工夫が施されているが, 人工膝関節置換術に関しては今も多くが従来型のUHMWPEを使用しているのが現状である. 人工膝関節における動きや構造は人工股関節の動きや構造とは異なり, 荷重における接触応力が大きいため, 引っ張り応力や剪断力などが重要となる. |
---|---|
ISSN: | 1883-2873 1884-9067 |
DOI: | 10.11551/jsjd.36.147 |