大喀血で発見された気管支動脈蔓状血管腫の2例

背景．気管支動脈蔓状血管腫は拡張した気管支動脈が蔓状に走行し，しばしば肺動静脈と異常吻合を来す稀な疾患である．血痰や喀血で発症する場合が多い．症例．症例1は3日前からの喀血で緊急入院した73歳男性．気管支鏡検査中に大喀血した．緊急右肺上葉切除術を施行し続発性気管支動脈蔓状血管腫と診断した．症例2は早朝からの喀血で緊急入院した74歳女性．病棟で大喀血し一時心肺停止に陥った．気管支動脈塞栓術（bronchial artery embolization：BAE），肺葉切除術，気管支動脈結紮切離術を駆使して止血した．原発性気管支動脈蔓状血管腫と診断された．結論．致死的な喀血で発症した気管支動脈蔓状血管...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 41; no. 1; pp. 71 - 77
Main Authors 小森, 崇史, 塩野谷, 洋輔, 森田, 亮, 高橋, 晴香, 常田, 慧徳, 呉, 賢一, 道免, 寛充, 橋本, みどり, 西山, 薫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.01.2019
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
Bronchial artery embolization (BAE)
Hemoptysis
Lung lobectomy
Racemose hemangioma of the bronchial artery
Surgical ligation of the bronchial artery
喀血
気管支動脈塞栓術
気管支動脈結紮切離術
気管支動脈蔓状血管腫
肺葉切除術
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.41.1_71

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Summary:背景．気管支動脈蔓状血管腫は拡張した気管支動脈が蔓状に走行し，しばしば肺動静脈と異常吻合を来す稀な疾患である．血痰や喀血で発症する場合が多い．症例．症例1は3日前からの喀血で緊急入院した73歳男性．気管支鏡検査中に大喀血した．緊急右肺上葉切除術を施行し続発性気管支動脈蔓状血管腫と診断した．症例2は早朝からの喀血で緊急入院した74歳女性．病棟で大喀血し一時心肺停止に陥った．気管支動脈塞栓術（bronchial artery embolization：BAE），肺葉切除術，気管支動脈結紮切離術を駆使して止血した．原発性気管支動脈蔓状血管腫と診断された．結論．致死的な喀血で発症した気管支動脈蔓状血管腫の2例を経験した．BAEは肺葉切除術と比較すると侵襲が少なく効果的だが，緊急性がある場合や病巣が局所的で同定可能な症例には肺葉（区域）切除術が，BAEが困難な症例や肺機能温存が必要な場合には気管支動脈結紮切離術も有用と考えられた．
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.41.1_71