前庭代償の経過を測定し得たハント症候群の 1 例
「はじめに」前庭神経炎や前庭障害を伴ったハント症候群のような一側性急性前庭機能低下例では, 健側の前庭機能は抑制されて一時的に低下し, その後回復する. この現象は, 前庭代償として良く知られている. また患側の前庭機能自体も, 一部の症例で回復することがある. つまり急性前庭機能低下例における患側・健側の前庭機能は刻々と変化することから, 1回だけ検査を行ったとしても, 臨床経過中の前庭機能の一部を見ているに過ぎない. このため, 急性前庭機能低下例では経時的に両側前庭機能の評価を行うことが望ましいが, 温度刺激検査は検査に時間を要し, 手間がかかる上, めまいや嘔気が生じやすいことから,...
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Published in | Equilibrium Research Vol. 76; no. 2; pp. 57 - 62 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
Kyoto
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
01.01.2017
日本めまい平衡医学会 Japan Science and Technology Agency |
Subjects | |
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ISSN | 0385-5716 1882-577X |
DOI | 10.3757/jser.76.57 |
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Summary: | 「はじめに」前庭神経炎や前庭障害を伴ったハント症候群のような一側性急性前庭機能低下例では, 健側の前庭機能は抑制されて一時的に低下し, その後回復する. この現象は, 前庭代償として良く知られている. また患側の前庭機能自体も, 一部の症例で回復することがある. つまり急性前庭機能低下例における患側・健側の前庭機能は刻々と変化することから, 1回だけ検査を行ったとしても, 臨床経過中の前庭機能の一部を見ているに過ぎない. このため, 急性前庭機能低下例では経時的に両側前庭機能の評価を行うことが望ましいが, 温度刺激検査は検査に時間を要し, 手間がかかる上, めまいや嘔気が生じやすいことから, 経時的評価には不向きである. 2009年に発表されたvideo Head Impulse Test (vHIT) は, 約3分で検査から解析まで行うことができ, 検査によるめまいや嘔気が生じにくいことから, 半規管機能の経時的評価がしやすいという長所を有する. |
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Bibliography: | ObjectType-Article-1 SourceType-Scholarly Journals-1 ObjectType-Feature-2 content type line 14 |
ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.76.57 |