胆道閉鎖症葛西手術術後患者における自己肝生存率に対する予後因子の検討
【目的】胆道閉鎖症(以下本症)の自己肝生存率に関連する予後因子を,自験例をもとに検討した.【方法】1984年4月1日より2017年3月31日まで当科で葛西手術を施行した本症84例を対象として患者背景,術前生化学検査所見,初回手術日齢,ステロイド初回投与量,漢方薬投与の有無について自己肝生存例(native liver survival群;NLS群)と死亡または肝移植例(非NLS群)で比較検討した.【結果】自己肝生存率は術後1年77.4%,術後10年62.7%,術後20年56.6%,術後25年46.9%となった.初回手術日齢はNLS群:60.4±16.0日,非NLS群:73.1±29.5日でNL...
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          | Published in | 日本小児外科学会雑誌 Vol. 54; no. 7; pp. 1324 - 1331 | 
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| Main Authors | , , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            特定非営利活動法人 日本小児外科学会
    
        20.12.2018
     日本小児外科学会  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0288-609X 2187-4247  | 
| DOI | 10.11164/jjsps.54.7_1324 | 
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| Summary: | 【目的】胆道閉鎖症(以下本症)の自己肝生存率に関連する予後因子を,自験例をもとに検討した.【方法】1984年4月1日より2017年3月31日まで当科で葛西手術を施行した本症84例を対象として患者背景,術前生化学検査所見,初回手術日齢,ステロイド初回投与量,漢方薬投与の有無について自己肝生存例(native liver survival群;NLS群)と死亡または肝移植例(非NLS群)で比較検討した.【結果】自己肝生存率は術後1年77.4%,術後10年62.7%,術後20年56.6%,術後25年46.9%となった.初回手術日齢はNLS群:60.4±16.0日,非NLS群:73.1±29.5日でNLS群が有意に早かった(p=0.0135).術前ALT,γGTP値において各群に有意差はなかった.術前AST値(IU/ l)はNLS群:180.1±113.8,非NLS群:257.2±231.4,T-bil値(mg/dl)はNLS群:9.16±3.65,非NLS群:12.77±5.45,D-bil値(mg/dl)はNLS群:6.27±2.00,非NLS群:8.77±4.15であり,NLS群においてAST(p=0.0489),T-bil(p=0.000489),D-bil(p=0.000484)が有意に低値であった.ステロイド初回投与量(mg/kg/day)はNLS群:3.49±1.21,非NLS群:2.49±1.73とNLS群で有意に多かった(p=0.00247).【結論】今回の検討では自己肝生存に関連する因子として初回手術日齢,術前ASTおよびビリルビン値,ステロイド初回投与量が示唆された. | 
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| ISSN: | 0288-609X 2187-4247  | 
| DOI: | 10.11164/jjsps.54.7_1324 |