人口構造の変化が感染症の流行に与える影響 : 宮崎県の事例

「I 緒言」20世紀後半から見られ始めた「第二の人口転換」と呼ばれる出生率の低下は, 晩婚化による出生タイミングの遅れが主因とされている(United Nations, 2003). 日本の出生率の低下もテンポ効果, すなわち高学歴化などを原因とした出産タイミングの遅れが主要な役割を果たしたと言われている(Kaneko, 2006;Skirbekk et al., 2004). それに対し, 卒業年齢の早期化が出生率上昇効果を持つことが示唆されている(金子, 2007). また, 出生率を上げるために出産タイミングにかかわる政策(テンポ政策)を行うことは, 子どもの数に対する政策(カンタム政策...

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Published in民族衛生 Vol. 80; no. 1; pp. 17 - 22
Main Authors 山内, 武紀, 黒田, 嘉紀, 竹内, 昌平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本民族衛生学会 01.01.2014
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ISSN0368-9395
1882-868X
DOI10.3861/jshhe.80.17

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Summary:「I 緒言」20世紀後半から見られ始めた「第二の人口転換」と呼ばれる出生率の低下は, 晩婚化による出生タイミングの遅れが主因とされている(United Nations, 2003). 日本の出生率の低下もテンポ効果, すなわち高学歴化などを原因とした出産タイミングの遅れが主要な役割を果たしたと言われている(Kaneko, 2006;Skirbekk et al., 2004). それに対し, 卒業年齢の早期化が出生率上昇効果を持つことが示唆されている(金子, 2007). また, 出生率を上げるために出産タイミングにかかわる政策(テンポ政策)を行うことは, 子どもの数に対する政策(カンタム政策)より実行しやすく, 人口減少と高齢化をある程度緩和させると言われている(岩澤, 2007). このようにテンポ政策は, 少子化対策として検討されるべき方策と考えられている. 人口構造の変化は, 年齢により感染する確率が異なるインフルエンザのような感染症の流行に影響を与えることが考えられる.
ISSN:0368-9395
1882-868X
DOI:10.3861/jshhe.80.17