ストレスによるミクログリア活性化メカニズムについての考察
「はじめに」脳は, 人間の精神活動のみならず, 知的活動, 運動, 摂食, 代謝, 睡眠, 免疫活動など様々な活動を統合している. しかしながら, 脳にも活発な免疫活動が存在することが明らかになってきたのは比較的最近のことである. このような経緯の背景には, 脳には白血球, B細胞, T細胞などの末梢免疫細胞が存在しないということがあると言われている. 末梢免疫細胞は血液・脳・脊髄関門(Blood-Brain Barrier, 通称BBB)を通過できないため, 脳には免疫細胞が存在しないとさえ考えられていた. しかしながら, 近年ではそのBBBの透過性が何等かの要因によって障害されることによっ...
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          | Published in | 日本医科大学医学会雑誌 Vol. 15; no. 3; pp. 96 - 105 | 
|---|---|
| Main Authors | , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本医科大学医学会
    
        15.06.2019
     | 
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| ISSN | 1349-8975 1880-2877  | 
| DOI | 10.1272/manms.15.96 | 
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| Summary: | 「はじめに」脳は, 人間の精神活動のみならず, 知的活動, 運動, 摂食, 代謝, 睡眠, 免疫活動など様々な活動を統合している. しかしながら, 脳にも活発な免疫活動が存在することが明らかになってきたのは比較的最近のことである. このような経緯の背景には, 脳には白血球, B細胞, T細胞などの末梢免疫細胞が存在しないということがあると言われている. 末梢免疫細胞は血液・脳・脊髄関門(Blood-Brain Barrier, 通称BBB)を通過できないため, 脳には免疫細胞が存在しないとさえ考えられていた. しかしながら, 近年ではそのBBBの透過性が何等かの要因によって障害されることによって, 末梢の免疫細胞が脳内に侵入し炎症を引き起こしているという報告も出ている. このように末梢免疫細胞が存在しない脳において, その代わりとして免疫作用を司っているのが, ミクログリア細胞である. 脳内には, 主にアストロサイト, オリゴデンドロサイト, ミクログリアの非神経細胞が存在するが, ミクログリアは脳内免疫細胞として重要な役割を担っている. | 
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| ISSN: | 1349-8975 1880-2877  | 
| DOI: | 10.1272/manms.15.96 |